2019 Fiscal Year Research-status Report
舞台芸術活動における聴覚障害者アクセシビリティ向上に向けた舞台手話通訳分析研究
Project/Area Number |
19K00214
|
Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
萩原 彩子 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 助教 (30455943)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 手話通訳 / 舞台芸術 / アクセシビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、今後舞台手話通訳の分析を行うにあたり、本研究で題材とする作品の選定ならびにその撮影を行った。作品の選定にあたっては、通訳担当者間の比較が複雑になりすぎないよう、①登場人物が多すぎない(3~4名程度)、②上演時間が長すぎない(30分未満がのぞましい)、③研究で使用するにあたっての著作権や肖像権がクリアできるもの、という観点で検討した。著作権者や出演している俳優等の関係者との調整を済ませたうえで、作品の撮影を行うことができた。あわせて、本研究の協力者として5名程度の手話通訳者に打診を進め、おおむね目標の人数を集めることができている。 さらに、舞台手話通訳の先進国の視察調査として2019年7月にフランスを訪れ、フランス(主にパリ市)における舞台手話通訳環境について関係者への聞き取り調査を行った。フランスに古くからある聴覚障害者劇団が行っている舞台芸術に関する手話翻訳の講座や、テーマパークで行われている舞台手話通訳について、講師・舞台手話通訳担当者へのインタビュー調査を実施したほか、舞台手話通訳の現地視察も実施することができ、貴重な資料を収集することができた。今回実際に目にすることができた舞台手話通訳は、日本ではまだ珍しい聴覚障害当事者による通訳で、事前稽古の様子や本番での工夫等について、詳細な話をうかがうことができた。今後詳細をまとめて発表する予定である。 今後は、撮影した作品の映像を用いて、模擬舞台手話通訳の撮影ならびに協力者へのインタビュー調査を行う予定であるが、実施にあたっては、広い会場の確保やテレビ会議システムの利用等、コロナウイルス感染予防策をできる限り施したうえで実施する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた作品の選定や撮影、被験者の募集、フランスへの視察調査をおおむね順調に終えることができているため、この区分とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
撮影した作品の映像を用いて、模擬舞台手話通訳の撮影ならびに協力者へのインタビュー調査を行う予定であるが、実施にあたっては、広い会場の確保やテレビ会議システムの利用等、コロナウイルス感染予防策をできる限り施したうえで実施する。 その後、撮影した模擬舞台手話通訳の映像の分析を進めるとともに、インタビュー調査についてトランスクリプトの作成、分析を進めていく。
|
Causes of Carryover |
2019度に購入予定だった映像編集用パソコン等の機材について、実際の使用が2020年度になるため、購入を2020年度に変更した結果、次年度使用額が生じた。2020年度中に購入の予定である。
|