2020 Fiscal Year Research-status Report
美術館における社会的課題を踏まえた子ども対象のアート・プロジェクトのモデル化
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19K00215
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
神野 真吾 千葉大学, 教育学部, 准教授 (90431733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 真帆 千葉大学, 教育学部, 准教授 (30710298)
縣 拓充 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 助教 (90723057)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アクティブラーニングとしてのアートプロジェクト / 美術科教育 / 社会と芸術 / Arts and Society / 子供の社会参加とアートプロジェクト |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、以下の研究活動を予定していた。 ①子供が参加する社会的課題をテーマとしたアートプロジェクトの内容を決定し、学校や美術館の協力を得て実際に行う。 ②上記アート・プロジェクトの活動を評価する観点や指標、その測定方法を検討、設定し、実施した活動を評価する。 ③2019年度の海外調査の分析を、千葉アートネットワーク・プロジェクトを中心とした国内事例との比較において行う。 しかし新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、アート・プロジェクトの実施協力を依頼する学校が、休校ならびに感染対策の厳格化の中で実施が難しくなり、同時に研究協力者の千葉市美術館もまた一時休館を余儀なくされ、対面での教育事業を実施できないこととなり、プロジェクト活動の次年度への先送りを決定せざるを得なかった。②③については、分担研究者の縣拓充と研究代表者の神野真吾が中心となり、議論を進め、一定の成果を上げることが出来た。今夏刊行予定の『Arts-Based Method in Education Research in Japan』にはその成果が反映される。この議論の中では、国の教育目標である「生きる力」醸成のための主体的で、対話的な深い学びの内容を、学習指導要領やその解説、その内容についての議論などを踏まえ検討するなどした。また、現状の社会的課題と市民の関係、特にデモやSNS上での発言などをめぐる日本の課題なども、コロナ対応や政治腐敗といった最新の話題も併せて検討、議論し、内容を深めることが出来たと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大により、学校及び美術館との連携による研究事業実施が不可能となったため。研究計画が、実際の子供が参加する事業の実施とその効果測定を前提としているため、方法や内容の変更が難しかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、昨年度実施予定だったアートプロジェクトの実施とその活動の評価に取り組む。新型コロナウィルスの感染拡大の状況がどうなるかが現状では見通せないため、オンラインでのプロジェクトの方向性も模索するつもりである。 また本来2021年度に実施する予定であった、V&A博物館の研究者を招聘しシンポジウムを実施する計画も、2022年度に延期をする予定でいる。その理由として、いまだ海外からの人の移動が見通せないこと、今年度の活動実施と評価を踏まえたシンポジウムであるので、同一年度での実施は時間的にも厳しく、十分な成果発信とはならないと考えるためである。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大の中、予定していたアートのプロジェクトを実施できなかったため。 2020年度に予定していた取り組みは、2021年度に行うこととし、さらに2021年度実施予定の取り組みは2022年度に行う予定である。
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