2023 Fiscal Year Annual Research Report
美術館における社会的課題を踏まえた子ども対象のアート・プロジェクトのモデル化
Project/Area Number |
19K00215
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
神野 真吾 千葉大学, 教育学部, 准教授 (90431733)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 真帆 千葉大学, 教育学部, 准教授 (30710298)
縣 拓充 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 特任講師 (90723057)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 美術館教育 / 社会とアート / ワークショップ / 子どもの社会参加 / 現代アート / 美術館と教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度にあたる2023年度は、大きく分けて2つの活動を通して研究を推進した。一つは地域の伝統的な文化イベントにアートが関わり、その構成として子どもたちの制作活動を取り入れたもの。その制作のテーマとしてその地域の事を考えさせることを実施した。もう一つは美術館の社会的位置づけについて、美術に関わりのない、美術に関心のない大学生に美術館での経験を通して考えさせるワークショップの実施である。後者は特に子供を対象とした活動に注目をし、その狙いや課題などを中心にリサーチ・討論をするという内容。千葉市美術館にて実施した。 研究の成果としては、子どもたちの世界の現実と社会とが大きく乖離しており、どのようなテーマを設定したとしても、アニメ、マンガ等のキャラクターに主題が回収されてしまいがちであるということ、そして美術館の関心は社会そのものへの関心というよりも、美術(館)の業界内的な関心が強く、その実践が社会の何に関係しうるのか、あるいは社会のどこへと接続されていくのかという視点が弱く、美術の専門領域での(社会的)実践になりがちだということである。 文化芸術基本法および、その法の精神を踏まえることを改正において明記した博物館法では、文化芸術の範囲や、社会的な機能について踏み込んで定義をしているが、実態としてはその理念は美術館の現場ではあまり深く理解はされていないということである。 昨年度に取り組んだイギリスのミュージアムの状況と比較すると、大きな課題を抱えたままであると言えるが、それはまた、よりマクロ的に見れば、市民の社会への関心の深さの課題ともつながっているようにも思われる。こうした点については今後検討していきたい。
|