2020 Fiscal Year Research-status Report
地球外の視点による地球観の共有-地球観測衛星を利用した地上絵アニメーションの制作
Project/Area Number |
19K00223
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Research Institution | Kanazawa College of Art |
Principal Investigator |
鈴木 浩之 金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 准教授 (60381688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 真人 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 第一宇宙技術部門, 研究開発員 (80578302)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 人工衛星 / UHD / アートプロジェクト / 美術教育 / STEAM |
Outline of Annual Research Achievements |
日本映像学会 中部支部 2020年度 第1回研究会(2020年12月12日/IAMAS情報科学芸術大学院大学)にて「地球観測衛星と電波反射器を利用した地上絵制作プロジェクトについて/2019年度の制作記録と8K映像化の試み」を発表し、2019年~2020年の活動をオンライン上で発表した。本来であれば、2020年度は地上絵アニメーション制作を共有化するアートプロジェクトの開発を進める期間であり、フィールドワークを積極的に展開する期間であったが、新型コロナウィルスの感染拡大が国内外での活動を制限することとなり、レクチャーやワークショップ、電波反射器を配置する現場の工程管理技術を開発するプロセスは2021年度に延期した。成果の中間発表を検討したが、全国で新型コロナ感染拡大の影響から、予定されていた発表活動も内容が変更された。当初は本研究の成果物であるUHD 8K解像度の映像作品「だいちの星座-えづらだいに彗星/8K」を2020年7月18日から9月27日に東京都現代美術館にて開催された「おさなごころを、きみに」展にて公開予定であったが、東京都の感染拡大防止措置の一環として美術館内の人の流れを止めない方針を受けて展示形態が変わり、作品のごく短い部分のみが8Kプロジェクタにて上映された。2020年9月18日「MADD. screening 2020」が東京都現代美術館にて 開催され、「だいちの星座-えづらだいに彗星/8K」「だいちの星座-たかはぎ座/8K」が全編上映された。2021年1月19日~31日 「金沢美術工芸大学 教員研究発表展 2020 美大のしごと」展(金沢21世紀美術館)にて「だいちの星座-えづらだいに彗星/8K」を4Kにダウンコンバートして上映した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画段階では、本研究で得られた知見をアートプロジェクトとして開発していくには、指導者や参加者等との情報の共有を深めるための手法を検討することを課題として挙げていた。新型コロナウィルスの感染拡大をうけて、フィールドワークを中断する一方で、一般的に普及しているスマートフォン向けに本研究フィールドワーク用アプリケーションを開発し、その機能の検証と改良を実施している。本来であれば、2021年度は地上絵アニメーション制作を共有化するアートプロジェクトの開発を進める期間であり、フィールドワークを積極的に展開する期間であったが、新型コロナ・ウィルスの感染拡大が国内外での活動を制限することとなり計画を変更した。アートプロジェクト参加者らと地上に巨大なアニメーションを描く制作のプロセスを共有することで、地球外の視点による地球観に時間軸を加えた「現代の地上絵=地上アニメーション」が人の社会認識を更に変化させる可能性があることを明らかにする計画のうち、アートプロジェクト参加者等と共に地上で「流れ星」を描き、それを動かすための、レクチャーやワークショップ、電波反射器を配置する現場の工程管理技術を開発するプロセスは2021年度に延期した。
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Strategy for Future Research Activity |
アートプロジェクトの実施を伴う芸術活動に関する研究という性格上、新型コロナ・ウイルスの感染拡大防止を最優先とした現在の社会環境のもとで実験を実施することは困難である。2020年度に予定されていた新たな地球観測衛星「ALOS-4」の打ち上げは、2022年度に延期が決まっている(宇宙航空研究開発機構(JAXA)発表)。打ち上げが成功しALOS-4の運用が始まり次第、速やかに実験を実施する予定であったが、本研究の期間中の再開は見込めない状況となった。2021年5月より続く所属大学の施設利用制限(学内での施設利用時間の制限)が6月13日まで続くと予想される。また、今後も同様の制限が実施される可能性もある。今後はフィールドワークの活動再開に向けて、在宅で進めることの出来るアプリケーション開発に注力するとともに、これまでに得られた研究成果の展示機会を準備する。現在のところ、石川県外での研究活動が制限されているところであり、現段階で活発な活動計画が立てにくい状況ではある。可能な範囲で、金沢市生涯教育課主催による科学教育の取り組みに協力し金沢市内で開催されるイベント(10月8日)に参加し、金沢美術工芸大学主催による金沢21世紀美術館での研究発表展にて成果を公開する。石川県外への出張制限の緩和が見られれば、8月後半から9月にかけて東京都内(アートスペースキムラASK/京橋)で本研究活動の成果をまとめた成果発表を実施し、社会に向けて公開する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ・ウィルス感染拡大の影響により研究計画を変更したため次年度使用額が生じた。次年度使用額はインターネットを介したリモートでの打ち合わせに使用する機材(書画カメラ、ケーブル)に充当する。
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Research Products
(2 results)