2020 Fiscal Year Research-status Report
美術家の制作環境改善とノントキシック化に向けた調査研究
Project/Area Number |
19K00247
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
湊 七雄 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 教授 (80436849)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 環境対応型インククリーナー / ノントキシック版画技法 / 非毒性版画技法 / 環境対応型銅版画グランド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、美術家の健康と安全確保および環境保全に関する欧米の先進の取り組みの内容を調査によって明らかにし、(1)美術家の危機管理意識改革、 (2)労働安全衛生水準の向上、 (3)美術家・美術教育機関の支援システムの構築に活用することである。 今年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、当初予定していた海外での実地調査を全てキャンセルした。しかし、オンライン会議が新たなスタンダードとなり、国内外の研究者らとの会議・打ち合わせのハードルが低くなったことにより、当初の予定とは異なるが、研究項目(1)と(3)には進展があった。(1)は特にアメリカの研究者らとの連絡を密にし、共同研究体制を構築し、2021年秋には美術家の危機管理意識改革をテーマとした比較的規模の大きいオンライン研究会の準備を進めている。 研究項目(3)美術家・美術教育機関の支援システムの構築については、特にの材料研究開発に注力し、教育・美術・工学の分野横断型の体制で取り組んだ。国内外の教育研究機関との共同研究を進め、主に植物由来の油性素材を用いた次世代型・環境配慮型版画技法の材料開発に取り組んだ。結果、植物(コメ・大豆)由来のオイルや溶剤をベースとした液体ハードグラウンドのサンプルが完成した。今後、教育現場での試用を含め多角的な評価を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査対象国・地域の実地訪問調査を予定をしていたが、コロナ禍により全ての海外出張が中止となったほか、国内出張も限定的であったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年7月-9月にかけて8回に渡りオンラインで開催予定の版画国際ワークショップ「Virtual World Tour」や、令和3年8月28日、29日に多摩美術大学で開催予定の環境対応型版画技法公開研究会(仮称)などの準備が整った。新型コロナウィルス感染の収束に合わせ、国際的な動向調査を再開する。 具体的には、1美術家の健康と安全を支援する組織・団体の活動内容や特徴についての実地調査、2美術教育機関における取り組みの実地調査、3汎用的な代替 画材の研究開発についての調査を行う。
|
Causes of Carryover |
海外出張を取りやめたため。
|
Research Products
(2 results)