2020 Fiscal Year Research-status Report
An investigation into the nature of preluding as a feature of nineteenth-century performance practice
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19K00256
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
鷲野 彰子 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (20625305)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 前奏 / Preluding / 録音 / 19世紀の演奏様式 / 即興演奏 / 序奏 / 記譜 / 前奏曲 |
Outline of Annual Research Achievements |
当課題研究の実施2年目にあたる令和2年度は、昨年度から難航している音源資料を収集することに加え、現時点で得られた資料の分析を進めた。 資料収集については、当初予定していた国外での徹底した調査は往来自粛の関係上叶わなかったものの、複数の情報提供者から前奏演奏についての音源情報をいただき、ある程度、そのリストを充実させることができた。 さらに、当初は音源資料は主に初期録音(オーディオ音源)を対象として分析する予定であったが、まとまった量のピアノロール資料が使用可能となったことから、これらを研究の主要資料に加えて分析の対象とすることとした。 以上のことから、当初は令和2年度は音源資料の分析、楽譜の前奏部分の分析、教則本における「前奏」について書かれた記述(記譜含む)の分析を行うことを予定していたが、さらに次のような手続きを加えるよう、研究手法を若干修正する必要が生じた。つまり、ピアノロール資料を分析対象に加えるよう変更したことにより、演奏(音源資料)のサンプルが大幅に増加したため、同一曲における演奏者間の演奏傾向、あるいは同一演奏者間の異なる作品の演奏傾向の類似/相違についての分析を加えることとした。 現在も引き続きこの作業を行なっており、この作業にある程度目処がつき次第、これら楽譜に記譜された部分の演奏(音源資料)以外の分析、つまり楽譜や教則本の分析、そして即興部分の演奏(音源資料)の分析を行い、その後、複数の異なる資料をつき合わせた分析へと進めたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた国外での徹底した資料収集が往来自粛の関係上叶わず、また、分析手法に当初予定していなかった新たな手法を加えてみることにしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
既に【研究実績の概要】でも述べたように、研究資料にピアノロールも加えることとしたため、扱える資料が充実し、それゆえ同じ曲についての演奏者間の比較や、同じ演奏者についての作品間の比較することができるようになった。まずはその分析を終えたのちに、残りの各資料の分析、さらに楽譜と音源を比較した分析や、楽譜に記譜されていない即興演奏と記譜された部分の演奏を比較した分析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた国外での調査が往来自粛の関係上叶わなかったため。
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