2019 Fiscal Year Research-status Report
芸術団体の創造活動の自律性を高める助成のありかた~英国のアーツカウンシル制度研究
Project/Area Number |
19K00260
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Research Institution | Showa University of Music |
Principal Investigator |
石田 麻子 昭和音楽大学, オペラ研究所, 教授 (50367398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
袴田 麻祐子 昭和音楽大学, オペラ研究所, 研究員 (40535548)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アーツカウンシル制度 / 芸術関連組織の運営 / レジリエンス / 波及効果 / 評価 / 創造活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
アーツカウンシル・イングランドが、その助成活動を通じて、いかに被助成団体である芸術団体にレジリエンスを確保させようとしているのか、芸術団体との距離の取り方、ガバナンスのあり方など、一連の助成活動にかかる具体的な状況、手法などを明らかにすることを目的とした研究である。 初年度はまず、11月に研究代表者(石田)が現地調査を実施、本研究の遂行に最適だと考えられる複数の対象者にインタビューを行った。その成果をまとめ、音楽芸術マネジメント学会における2019年12月冬の研究大会での口頭発表により公表した。研究代表者は「アーツカウンシル・イングランドとロイヤル・オペラハウス ~芸術団体運営におけるレジリエンス確保の方策~」、研究分担者(袴田)は「アーツカウンシル・イングランドの「自己評価ツールキット」~その内容と目的から読み解く評価の土壌~」と題した発表を行った。 加えて研究代表者が、科研費(B)「文化政策における政策評価の制度 、方法、指標に人文知を応用して構築する研究」での研究会(2019年12月)講師を、全国公立文化施設協会「全国劇場・音楽堂等職員 アートマネジメント・舞台技術研修会2020」(2020年2月)での講師兼モデレーターを務め、さらに劇場、音楽堂等連絡協議会主催公開シンポジウム「評価をより良い劇場・音楽堂等運営に繋げるために」(2020年2月)での基調講演に招かれて講演することを通じて、本研究成果を研究者のみならず、広く実際の芸術団体運営や劇場等の施設運営に携わる現場の関係者等にも還元した。 加えて、イギリスから来日したニコラス・ペイン氏との研究会を実施(2020年1月)、アーツカウンシル・イングランドの助成の現状、スコットランド政府の評価の手法などを具体的にインタビューする機会を設けることができ、研究の方向性を改めて確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イギリスでの現地調査を行い、複数の調査対象者へのインタビューを予定通りに実施できた。さらに、学会で発表したこと、研究会、公開講座等での講師として招聘されて、本研究の成果を、多くの人と共有したことなどがあげられる。さらに予定されていたゲストを迎えて、研究会を実施、その成果を含めた論文執筆、および書籍の執筆を進めていることなど、おおむね順調な成果をあげている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる今年は、研究課題の現状を掘り下げる予定であるが、予定している海外調査が可能かどうか、海外の状況を把握しながら、決定していくつもりである。実地調査が難しい場合は、メール連絡やインターネットを通じたインタビュー等の方法を活用していく。また、これまでの研究成果もかなりの分量となっているため、再度、学会での発表、研究会の実施、さらには書籍の刊行などにつなげていく予定である。
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Causes of Carryover |
年度末にかけての出張予定を、研究会、演奏会等の中止や延期により、キャンセルせざるを得なかったことから、予定した旅費の支出が減ったことが大きな理由である。世界的に芸術文化活動が停滞する中、それに関する状況が改善されたタイミングでの現地調査等を実施する予定である。
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Research Products
(3 results)