2020 Fiscal Year Research-status Report
アクースモニウム演奏記録システムの開発と演奏データアーカイブの構築
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19K00263
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Research Institution | Kyoto Seika University |
Principal Investigator |
平野 砂峰旅 京都精華大学, ポピュラーカルチャー学部, 教授 (90330034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 和子 同志社女子大学, 学芸学部, 教授 (00340464)
落 晃子 京都精華大学, ポピュラーカルチャー学部, 教授 (80712869)
石上 和也 大阪芸術大学, 芸術学部, 准教授 (30829809)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アクースモニウム演奏 / 立体音響収録 / 電子音響音楽 / 演奏データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
アクースモニウムは電子音響音楽を上演するのに用いられる,多数のスピーカを用いた演奏システムである.録音された電子音響音楽を,どのスピーカからどれくらいの音量で出力するかをミキシングコンソールのフェーダ操作でコントロールし演奏する. 昨年度は最大14チャンネルまでのアクースモニウムシステムの記録しかできなかったので,今年度は,ミキシングコンソールを2台用いた最大28チャンネルの演奏データ記録システムを構築できた. アクースモニウム作品の演奏データ収録を,同志社女子大学の音楽練習室にて9月と3月にデータ収録実験を行った.また,11月にコンサートホールでデータ収録のための実験コンサートを実施した.また,フェーダ操作だけでなく,演奏歴,演奏についての感想などのアンケート調査も行った. 同志社女子大学学術研究年報71巻(2020年)に「アクースモニウム演奏記録システムの開発と演奏データアーカイブの構築」が掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は,再生スピーカの数が14個までの小規模なシステムを構築したが,今年度は2台のミキシングコンソールを用いた最大28個までのスピーカを用いたシステムを構築し,演奏データを収録できるようにし,以下の演奏記録実験およびコンサートを実施した. 9月に8名 11月に無観客コンサート14名 3月に8名,合計30名の演奏データ収録を実施した. また,同志社女子大学学術研究年報に 研究レポート「アクースモニウム演奏記録システムの開発と演奏データアーカイブの構築」ステップ1.」が掲載された.(共著:成田和子、落 晃子、石上和也、平野砂峰旅) また,アウトリーチ活動として,2021年2月20-21日開催のICSAF2020(Intercollege Sonic Arts Festival)において,20日に1時間の特別プログラムを組み,共同研究のIREMUSとともに研究内容を紹介し,2020年度の収録した演奏の一部をインターネット配信した.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続きコロナ禍で演奏データを記録できるコンサートの開催が非常に少なく,さらに開催されていても移動自粛,出張制限のため記録に行くことが困難で,そのため関西地区での収録が中心となる.本年度のコンサートでの収録予定は8月4日 檜垣智也アクースモニウムリサイタル(ザ・フェニックスホール)3月 CCMC2022コンサート(関西:計画中) 関西圏以外での演奏データ収録のために,演奏記録システムをパッケージ化し,宅急便などで送付することによって,演奏データの記録ができるようにしたい.また,インターネットを介してリアルタイムでの演奏情報を送受信することによるリモート収録やリモートコンサートの可能性についても検討していきたい. 演奏データベースについては,インターネットによるアクセスできるように作業を進めて行く.演奏データの著作権については,クリエイティブ・コモンズを用いて演奏家が選択した条件に即して公開する. 今年度は,学会発表,研究報告を行うとともに,収録したデータを利用した配信の可能性についても検討していきたい.
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Causes of Carryover |
データ収録を予定していたコンサートが,新型コロナウイルス流行のために中止になった.そのため,出張経費,人件費の執行が減少した.また,国際会議,研究会などへの出張旅費も執行できなかった. コロナウイルスによる規制が2021年度も継続しているため,コンサート,国際会議や学会発表も引き続き制約を受けることが見込まれる. そのため,2020年度後半から関西圏以外での演奏の場合は収録システムを貸与して現地のスタッフで演奏収録が可能なようにし,小規模(ミキシングコンソール1台)な可搬性のあるシステムを構築することに費用を使用し,2022年度も継続する.また,データベースの充実とそのインターネットでの公開に費用を使用する計画である.
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Research Products
(2 results)