2021 Fiscal Year Annual Research Report
近代以降の科学技術医学の学術文献に掲載される図像に関する歴史研究
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19K00266
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 毅彦 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90237941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 祐理子 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (30346051)
河野 俊哉 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 学術研究員 (40600060)
吉本 秀之 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (90202407)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 科学史 / 技術史 |
Outline of Annual Research Achievements |
橋本はX線回折の歴史とともに、中国と日本における植物図譜の歴史について検討した。中国の植物図譜に関しては、フランスの科学史家メテイエ氏の論文と著作を参考に、植物図の描かれ方、それらの文字による説明文との関係などについての解釈を参照し、日本の植物図譜に関しては、江戸中期の島田充房と小野蘭山による『花彙』を取り上げその植物図を検討したが、その際に幕末から明治初年に来日したポール・サヴァティエによる同書の翻訳と注釈に注目し、そこから『花彙』の植物画の特質を抽出するヒントを得た。また橋本は、ドイツの科学史家で図像科学史の最近の研究を総括する研究書を出版したK. Hentschel氏の諸研究を取り上げ、同氏の2014年の研究サーベイ的な著作よりも早く出版された諸論考に注目することで、同氏の研究視座や主要テーゼをより明確に把握し、その成果を研究室紀要である『哲学・科学史論叢』に論文として発表した。 吉本氏は、最近の2冊の邦訳書(『逃げるアタランタ:近世寓意錬金術変奏譜』、『立昇る曙 Aurora Consurgens 中世寓意錬金術絵詩』)を紹介した上で、中世からルネサンスにおける錬金術書での図像の出現と利用、ならびに初期近代における化学教科書での図像の出現と利用について、その代表的な事例を分析した。 田中氏は、20世紀初頭の原子の可視化に関わる近年の化学史・物理学史・文化史的研究をサーヴェイした論文を執筆し、本研究課題を通じて探究してきたテーマについて成果を公表した。また、感染症の社会的経験に関わる図像表象、および解剖学の身体表象についても、本研究課題による研究成果に基づいて論文執筆、学会講演を行なった。 河野氏は、宇田川榕庵の『舎密開宗』に掲載される図のオリジナルソースとなる図を欧州の文献に探し求めてきたが、その研究成果を『化学史研究』に論文として出版した。
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Research Products
(14 results)
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[Book] 科学史事典2021
Author(s)
橋本毅彦、吉本秀之、田中祐理子、河野俊哉他
Total Pages
726
Publisher
丸善
ISBN
9784621306062
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