2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K00273
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
浜野 志保 千葉工業大学, 創造工学部, 教授 (90550666)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ダウジング / ドイツ / 周縁科学 / 境界科学 / ナチス / 大衆科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、19-20世紀のドイツにおけるダウジングの流行について、当時の関連団体の機関誌などの一次資料の調査に基づき、境界科学(Grenzwissenschaft/fringe science)文化史の観点から分析を行うものである。 当初計画の通りDeutsche Nationalbibliothek(ライプツィヒ)およびStaatsbibliothek zu Berlin(ベルリン)において一次資料の調査を実施した2019年度に続き、2020年度においても、ドイツの図書館およびアーカイブでの一次資料の調査を実施する計画だった。しかしながら2020年度は、新型コロナウイルスの流行によりドイツに渡航することが一切できず、研究計画で予定していた資料調査を実施することができなかった。そのため、2020年度の予算についても、関連書籍を数冊購入した以外は、使用することができなかった。 資料調査は計画よりも大幅に遅れることになってしまったが、2021年度以降に実施する次回現地調査に向けて、2019年度のドイツ現地調査で収集した資料(Zeitschrift fuer Wuenschelrutenforschung等)を整理した。また、インターネット上のデータベース等を利用して、国内でも閲覧可能な一次資料および関連する二次資料の調査をおこない、先行研究の検討をおこなった。 現時点での調査内容の中間報告として、2021年5月の日本科学史学会大会にて研究発表を行い、その内容を2021年度内に研究ノートまたは論文として投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の中心は、ドイツでの一次資料の調査である。しかしながら、2020年度は、新型コロナウイルスの流行により、ドイツに渡航すること自体が不可能だった。現地調査を実施することができなかったため、2019年度におこなった現地調査で入手した資料の整理と、インターネット上や日本国内で閲覧可能な二次資料の調査をおこなったが、当初の研究計画からは大幅に遅れていると言わざるを得ない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの流行が収束し、ドイツへの渡航が可能になり次第、2020年度に予定していた現地での一次資料の調査を実施する。この調査の効率を高めるため、渡航可能な状況になるまでの期間には、既存資料の整理と先行研究の再検討を行う。また、渡航が可能になるまで時間がかかる可能性も視野に入れ、現地での調査以外に一次資料へのアクセスを確保する方法についても広く検討する。
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Causes of Carryover |
ドイツ国内の図書館およびアーカイブにて一次資料の現地調査を実施する計画だった。新型コロナウイルスの流行により、ドイツに渡航することができず、旅費および現地調査のための予算を使用することができなかった。新型コロナウイルスの流行が収束し次第、計画していた現地調査を実施する予定であり、次年度使用額については、その際の現地調査および研究成果の公表にかかる費用の補助とする。
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