2021 Fiscal Year Research-status Report
旧仏領インドシナにおける鉄筋コンクリ―ト技術伝播に関する資料調査
Project/Area Number |
19K00278
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山名 善之 東京理科大学, 理工学部建築学科, 教授 (70349843)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 旧仏領インドシナ / 技術伝播 / 鉄筋コンクリート / ブロサール・モパン |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度においては、前年度までに新型コロナウイルスの状況悪化によって実施ができずにいたベトナム・フランスでの資料調査等について、パンデミックの状況改善がみられず、引き続き調査を行うことが困難となった。しかしながら、2019年度より資料調査を行ってきたブロサール・モパン社(雲南鉄道の建設に携わり、その後、鉄筋コンクリート技術による建設工事をフランスから旧仏領インドシナ、シンガポール、北京、上海などで行ったフランスの建設会社)について、2021年度はこれまでの調査結果を論文(陳敏行・大須賀寛輝・長谷川香・國分元太・山名善之「アジアへ鉄筋コンクリート技術を普及させたブロサール・モパン社の建設活動に関する研究(その1):資料分布の体系化と活動基盤の分析」日本建築学会計画系論文集, 2022年7月. 87巻, 797号に掲載予定)に発表した。 また、前述の論文においてブロサール・モパン社の本店および支店の設置状況を整理し、支店が1912年から置かれ、また分社化後に1947年まで活動の行われていたシンガポールにおいて、シンガポール国立公文書館にブロサール・モパン社に関する資料(アジアにおいて実施されたプロジェクトの図面資料、会社経営関係資料等)が集中して所蔵されていることが分かった。2022年度は新型コロナウイルスによる渡航規制も緩和されており、シンガポールへの資料調査の実施の見通しが立っている。これを行うことによって、2021年度までに作成していたにブロサール・モパン社の資料目録およびアジア各地で行っていた鉄筋コンクリート造プロジェクトの目録をより充実させ、ブロサール・モパン社の活動をとおした鉄筋コンクリート技術のアジアにおける展開を中心に研究のまとめを行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響で年度内に予定していた海外渡航調査(フランス・ベトナム)を行うことができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度及び2022年度に調査を進めてきたブロサール・モパン社について引き続き調査を行う予定であり、2022年度5月下旬現在、所属研究機関による国外渡航の許可も認められ始めている。これを受けて、研究実績の概要にも記した通り、2022年度6月にシンガポールで資料調査を行う予定である。また、これまでに実施できていなかったフランス及びベトナムでの資料調査も状況が許せば実施を予定している。
|
Causes of Carryover |
2021年度に新型コロナウイルスの影響により予定していた海外調査(フランス・ベトナム)の実施ができなかったため。 2022年度には、2021年度まで調査を進めてきたブロサール・モパン社の調査について、資料の所在が明らかになったシンガポール国立公文書館において資料調査を行う予定であり、その旅費と資料取得費での助成金の使用を予定している。また、昨年度まで実施できずにいたフランス・ベトナムへの調査旅費としても使用を予定している。
|
Research Products
(1 results)