2021 Fiscal Year Annual Research Report
History of decommissioning of first breeder reactors and its international comparison
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19K00279
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小島 智恵子 日本大学, 商学部, 教授 (70318319)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 科学技術史 / 高速増殖炉 / 廃止措置 / 核燃料サイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は, 高速増殖炉(FBR)の廃止措置の歴史に関する国際比較として,フランスとドイツの共同で開発されたFBR実証炉スーパーフェニックスの廃止措置を事例とし,ドイツの影響を分析した。また国際比較の対象として,日本のFBR開発について有沢広巳旧蔵社会政策・エネルギー政策関係資料を基に調査した。 1)スーパーフェニックスの廃止措置の背景:スーパーフェニックスは, 1985年に稼働を開始したが, 1987年と1990年にNa漏れが生じ可動停止となり, 1994年に研究炉に用途変更した後, 1998年には廃炉が決定した。廃炉決定に関しては, 1997年6月に誕生した社会党のジョスパン連立政権に加わった緑の党の要求を受け入れたという政治的要因が大きいと言われている。本研究では, 建設・管理・運転に携わったフランス電力(EDF)が, 多額の研究費を必要とするスーパーフェニックス開発に消極的であり, 高速増殖炉開発を推進し続けてきたフランス原子力庁(CEA)と対立していたということ, スーパーフェニックスは, EDF,・イタリア電力(ENEL)・ドイツ・ベルギー・オランダの高速増殖炉発電会社(SBK)が設立したコンソーシアムNERSAにより建設・管理・運転されていたことより, 高速増殖炉から撤退することを望んでいたドイツの影響もあったということを明らかにした。 2)資料収集:有沢広巳旧蔵資料を調査し,日本の高速増殖炉開発の基本戦略と濃縮再処理の技術開発の現状を見出した。また海外エネルギー調査団によるフランス経済戦略庁との対談資料, 原子力局による西ドイツの原子力発電の調査結果を得た。 3)インタビュー:スーパーフェニックスの建設責任者であったシュミット氏にインタビューを実施し, CEAとEDFの廃止措置に対する対応の違いを明確にすると同時に,同炉の廃止措置中の画像等の資料も頂戴した。
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Research Products
(4 results)