2022 Fiscal Year Annual Research Report
Characteristics of Industrial Internet of things in Japanese Manufacturing Industry and Formation of Basic Industrial Technology
Project/Area Number |
19K00284
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山崎 文徳 立命館大学, 経営学部, 教授 (70411204)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 真悟 立命館大学, 経営学部, 教授 (10623358)
永島 昂 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (10733321)
杉本 通百則 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (40454508)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 基盤的産業技術 / 機械工業 / 装置工業 / 自動化 / FA / PA / 課題解決型ソリューション |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は1年間の在外研究を行なったドイツ・ハンブルクを拠点に、日本製造業のインダストリアルIoTの特質を明らかにした。欧州では、ハノーファーメッセやSPS (Smart Production Solutions)展で欧州企業とコネクションをつくり、日系の工作機械メーカー4社、産業用ロボットメーカー3社、制御機器や通信メーカー3社、半導体製造装置メーカー1社(オンライン)といった基盤的産業技術の供給企業群、航空機の機体やシステムを生産する基盤的産業技術の使用企業群を訪問調査した。 2022年度の研究成果として、研究開発における欧米企業のリニアモデルに対して、生産やアフターマーケットにおける課題が設計・開発にフィードバックされる日本企業の連鎖モデルを、開発技術者や生産現場の技術者や工員との力関係、職務が明確に区分されて互いが干渉し合わない関係、労働組合の形態の違いから理解した。このため、欧米では通信規格を共通化してデジタル・ツインなど開発・生産プロセスのデジタル化がIoTと共に導入されたのに対して、日本企業では生産プロセスの上流からの標準化の取り組みが進展しなかったと考えることができる。 研究期間を通じた研究成果として、日本企業のインダストリアルIoT(Industrial Internet of Things)は、多品種生産と企業利益の獲得を両立させる手段という意味では欧米企業と違いはない。しかし、欧米企業が標準モデルを構築して個別の工場や生産現場に展開する全体最適化で企業利益を最大化するベストプラクティス型の技術革新を行なうのに対して、日本企業は、市場ニーズに対応しながら、企業の事業部門、工場、生産現場ごとに徹底してつくり込む個別最適化を優先し、その蓄積によって企業利益を最大化させる市場適応型の技術革新を追求したことを明らかにした。
|