2019 Fiscal Year Research-status Report
戦争と革命の20世紀を生きた表現者たち―左派社会運動と文学運動の交錯
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19K00320
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
黒川 伊織 神戸大学, 国際文化学研究科, 協力研究員 (50611638)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 文化運動 / 平和運動 / 労働者文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、2019年歴史学研究会大会現代史部会にて、「反戦平和運動における抵抗と文化/抵抗の文化ー神戸港から見た世界」と題する報告を行った。本研究課題で取り扱う文化運動資料をふんだんに使用し、人びとの〈生きられた経験〉に着目した報告は、概ね好評を得た。 2019年4月に受け入れた「和田喜太郎旧蔵資料」(段ボール50箱)は、大阪産業労働資料館に運び込み、同館でボランティアスタッフの力を借りつつ整理・目録化の作業を進めている。東京や大阪で地域のベ平連運動を支えてきた和田氏をテーマとして、国際日本文化研究センター2019年度共同研究「東アジア冷戦下の日本における社会運動と文化生産」で「サークル誌からミニコミ誌へ―建具職人・和田喜太郎における文化生産」と題する報告を実施した。本報告は大阪大学出版会より刊行予定の論文集に収録の予定となっている。 戦後文化運動の一翼を担った歴史学運動についての資料収集も並行して実施しており、2020年2月には、「大阪現代史研究会」(1956年~63年)の事務局を担った尾川昌法氏(部落問題研究所理事長)より、「大阪現代史研究会」「大阪地方労働運動史研究会」に関する一次資料の寄贈を受けた。本資料の一部は、「渡部徹の歴史学―関西・社会運動史研究史序説(特集 社会運動史研究のメタヒストリー)」(『大原社会問題研究所雑誌』741号、2020年7月刊行予定)にて紹介している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たに受け入れた一次資料の目録化が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き一次資料の収集に努め、その整理と目録化の作業を迅速に行えるように、共通のフォーマットや規則を整備していく。
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Causes of Carryover |
コロナウイルスの影響で予定していた調査が中止となったため。
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Research Products
(5 results)