2020 Fiscal Year Research-status Report
成島信遍研究―幕臣文人の事績を通して見る近世中期江戸文壇の特徴―
Project/Area Number |
19K00322
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
久保田 啓一 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 教授 (80186452)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 成島信遍 / 仁木充長 / 江戸冷泉門 / 幕臣文化圏 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナ感染拡大により、令和2年度は資料調査が全く遂行できず、収集済みの資料をもとに論文を執筆するほかに方法がなかった。 成島信遍に先立って関東冷泉門の最古参歌人となった仁木充長の伝記研究2本、信遍の年譜稿2本がその成果となる。特に仁木充長はこれまでまとまった論述の対象となったことがなく、人物伝の嚆矢として公表できたことの意義を感じている。江戸時代においてすでに伝の不明な人物であり、これからの続稿執筆には多大の困難が予想されるが、手元にある資料の整理でもかなりの見通しが立っている。 成島信遍の年譜稿は研究期間内に可能な限り先へ筆を進める予定であるが、近い将来の出版を見込んで、旧稿の手入れと電子化を開始した。 なお、近世中期の江戸幕臣文化圏と在満の関係を浮き彫りにした論考をも執筆したが、これは発行が令和3年6月のため、令和3年度の実績として次年度に掲げるつもりである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
何よりも新型コロナ感染の拡大による移動自粛によってもたらされた遅延が大きい。東京や関西圏、各地方への調査旅行が全く実施できず、新たな資料の収集が困難であったため、これまでに収集した資料の再検討、旧稿の整理、年譜稿の続稿執筆しか行えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染の状況が好転しない以上、本格的な資料調査は当分実施不可能と考えざるを得ない。図書館や資料館によっては、複写物の提供は問題ないところもあるので、まずは紙媒体の資料収集に努めるほかはなく、併せて成島信遍とその周辺に関する論考を書き継ぐことになる。
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Causes of Carryover |
旅費として計上していた分が未使用となったため、次年度に回すこととなった。調査旅行はほぼ不可能かと思われるが、その代わりに紙媒体の資料収集に努めたい。
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