2019 Fiscal Year Research-status Report
帝国日本の書物流通ネットワークと知の文化基盤に関する調査および総合的研究
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19K00343
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
日比 嘉高 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (80334019)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 書物流通 / 取次 / 小売書店 / 樺太 / 満洲 / 企業整備 / 書店 / 満洲書籍配給株式会社 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究実績は次の通りである。 編著としては戦前の台北に関する日比編『台湾・新高堂書店村﨑長昶──事跡と回想録』(金沢文圃閣)、論文としては樺太と大連について考えた「外地のランドスケープ──人と環境の重奏を聴く」(『現代詩手帖』第62巻8号)、満洲の書店の歴史を追った「「満洲」の本屋たち──満洲書籍配給株式会社成立まで」(『Intelligence』第20号)、戦時下の書物の流通を考えた「統制経済と書物流通──帝国の国策書籍配給会社」(『名古屋大学人文学研究論集』第3号)がある。 またミニシンポジウムにおける関連した報告として「〈物〉と〈知〉をどうつなぐか」(『立教大学日本文学』122号)がある。 学会報告としては書物流通の物質性を移民文学に触れながら論じた "Japanophone Literatures and Books: materiality, distribution networks and immigrant writers." in Japanese Diaspora to the Americas: Literature, History and Identity, Yale University, 2019年5月3日、およびアジア太平洋戦争期の書店および関連組合について調査した「戦時下における小売書店──企業整備と統制組合」(東アジアと同時代日本語文学フォーラム 第7回)がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に進んでいるといえる。今年度は、学会発表に加え、活字化をしていなかった論文も雑誌で公刊できた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの感染が広がった結果、図書館での調査や出張旅行ができず研究が滞っている。手に入るだけの資料で、ともかく行うしかない。
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Causes of Carryover |
予定していた出張調査が行えなかったため。
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Research Products
(6 results)