2020 Fiscal Year Research-status Report
徳山毛利家棲息堂文庫所蔵和刻本漢籍の書誌学的研究と分類目録の作成
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19K00372
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
根ヶ山 徹 山口大学, 人文学部, 教授 (20218267)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 徳山毛利家 / 毛利元次 / 和刻本漢籍 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は,新型コロナ感染症の拡大にともない,新型インフルエンザ等対策特別措置法の規定に基づき,東京都を対象に緊急事態宣言が発出され,更に人流の抑制が重要であるとの観点から,同宣言期間中は利用者の抑制に必要な措置を講ずることが要請されたため,宮内庁書陵部図書寮文庫においては閲覧が休止され,また関連する調査をおこなってきた国立公文書館内閣文庫においても閲覧室が閉室となった。こうした事情により,徳山毛利家旧蔵和刻本漢籍及び関連する和刻本漢籍の実物を披閲しての書誌調査は,実施不可能となった。 やむなく,宮内庁書陵部図書寮文庫に架蔵される徳山毛利家旧蔵和刻本漢籍のうち,『塩鉄論』(217・11)等の4種については,全頁を撮影・焼付し,『皇明通紀統宗』(215・117),『泉志』(217・17),『王右丞文集』(458・44)等の28種については,一部の撮影・焼付をおこなうことにより,ようやく詳細な書誌調査を実施することができた。この調査によって,既に公刊されている宮内庁書陵部編『和漢図書分類目録』(1951年,宮内庁書陵部)及び「書陵部所蔵資料目録・画像公開システム」に見られる不備を正し,遺漏を補うことができた。 また,国立公文書館内閣文庫においては,宮内庁書陵部図書寮文庫に架蔵される徳山毛利家旧蔵和刻本漢籍の欠損等を補完的に調査し,書誌採録をより厳密なものとする作業をおこなうべきところであるが,断念せざるを得なかった。加えて,宮内庁書陵部編『図書寮典籍解題―漢籍篇』(1960年,宮内庁書陵部)等に基づき,関連する諸事項に関する補足調査もおこなった。 現地で実物を手にとっての調査がおこなえず,あくまで撮影・焼付した資料を介しての調査であるため,非効率的であり,予定した調査は未完である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
想定外の事態として,新型コロナウイルス感染症拡大の影響で,宮内庁書陵部図書寮文庫においては閲覧が休止され,また関連する調査をおこなってきた国立公文書館内閣文庫においても閲覧室が閉室となった。そのため本年度中に予定していた現地での調査はまったく実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,宮内庁書陵部図書寮文庫において徳山毛利家旧蔵和刻本漢籍の書誌調査をおこなう予定である。東京都が新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言対象地区に再再度指定されることとなれば,本務校からは同対象地区への出張を控えるよう通達が出されていることから,当面は,『和漢図書分類目録』(1951年,宮内庁書陵部)のチェック及びメタデータ入力作業及び資料の撮影・焼付によって対応せざるを得ない。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大で3月に予定していた出張を取りやめたため,やむなく次年度使用額が生じた。 次年度において旅費に充当したい。
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