2021 Fiscal Year Annual Research Report
The Politics of Samuel Morse's Telegraph Sygnals
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19K00395
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高橋 勤 九州大学, 言語文化研究院, 教授 (10216731)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ヘンリー・ソロー / アイルランド人表象 / ネイティヴィズム / 電信技術 / 想像の共同体 / サミュエル・モース / ノーナッシング党 / 陰謀論 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3 (2021)年度は本研究課題の最終年度だが、おもにサミュエル・モースの移民排斥論について考察した。モースによる反カトリシズムを基盤とした移民排斥論はプロテスタンティズムを核とした国家観と密接に関連しており、そうしたネイティヴィストの国家観が1830年代に形成されつつあった合衆国の歴史(ナショナル・ナラティブ)とどのように接続していたのか、より具体的に考察することであった。 本研究課題の成果発表については、すでに令和元(2019)年度に「モールス信号の政治学―ソローと一九世紀ネイティヴィズム思想」という論考を共著書のかたちで発表し、さらに同タイトルの研究発表を日本英文学会(招待発表)で行っている。令和2年度ではネイティヴィズム思想にまつわる陰謀論に関して巽孝之著『パラノイドの帝国』の書評を『ヘンリー・ソロー研究』に発表している。最終年度の考察は過去二年の成果を踏まえて、「陰謀論とアメリカのヴィジョンーサミュエル・モースとソローのネイティヴィスト的共鳴」というタイトルのもと日本ナサニエル・ホーソーン協会全国大会シンポジウム「アメリカン・ルネサンスと白人至上主義の運命」(2022年5月20日開催予定、招聘パネリスト)において発表の予定である。 当該年度におけるソロー研究に関連したその他の研究実績としては、“Thoreau’s Confucianist Turn in Japan.”J19: The Journal of the Nineteenth-Century Americanists (Fall 2021): 453-461のほか, 『野生の文法―ソロー、ミューア、スナイダー』(九州大学出版会、2021年)等がある。
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Research Products
(6 results)