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2020 Fiscal Year Research-status Report

アメリカ文学におけるホテル的空間の文化史

Research Project

Project/Area Number 19K00406
Research InstitutionRyukoku University

Principal Investigator

池末 陽子  龍谷大学, 文学部, 准教授 (10792905)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 渡辺 克昭  大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (10182908)
後藤 篤  京都府立大学, 文学部, 講師 (70761980)
千代田 夏夫  鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (80631887)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords移動 / 身体 / ホテル
Outline of Annual Research Achievements

2020年度は予定していた海外調査は全員分全てが中止となり、池末が予定していたポー学会でのシンポジウムは2021年度に延期となった。その代わり、2021年度に予定していた学会シンポジウムをオンラインにて前倒しでおこなった。
日本アメリカ文学会関西支部10月例会にて、シンポジウム「「変容する<ホテル>の時空間」(2020年10月24日 オンライン)をおこなった。本シンポジウムでは「ホテル」を「ホーム」と対立する概念として捉え、「モビリティ」と「モダニティ」を備えた装置として読み直した。池末は「ホテル的空間の文化史序説」のタイトルで、19世紀後半の行楽ホテルとウィリアム・ディーン・ハウエルズの“Last Days in a Dutch Hotel”(1897)にみるホテルの閉鎖性と身体性について論じた。千代田は、イーディス・ウォートンの作品群から、フィッツジェラルドの時代の実在するホテル描写にみる結婚観と風俗拠点について論じ、人の営みを感じさせる場としてのホテルを考察した。後藤は、ウラジミール・ナボコフの『ロリータ』(1955)を中心に、モビリティの中のインモビリティという論点にエスニシティというスクリーンを重ねた「開かれた閉鎖空間」についての試論を発表した。渡邉は、スティーヴン・ミルハウザーの『マーティン・ドレスラー』(1996)において、「ホテル」を拡張する身体ととらえ、都市論、建築論、身体論、歴史時空間が交錯するポスト・ヒューマン的な場としてのホテル論を展開した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

コロナ禍のため、全員国内外の出張を自粛とおり、資料収集や海外研究者との意見交換および国内研究者招聘企画等を全て延期した。また再度始まったオンライン授業/ハイブリッド授業への対応などのため、全員の研究が全体としてやや遅れている。そのため来年度の計画を前倒しにし、本年度の計画を先送りするなど、柔軟な計画変更を模索している。

Strategy for Future Research Activity

共同研究の中間発表としておこなった昨年度のシンポジウムの成果および問題点の回収を元に勉強会を開催し、各自担当分の総括に入る。
池末は19世紀から20世紀初頭の亡霊ホテル譚についてレガシーと幻想性の臨界点を探る。後藤は移動をテーマとした50年代のモーテル文化について概括をおこなう。千代田は白人男性モダニズムにおける「ホテル」とハーレム・ルネサンスにおける「キャバレー」の相関性を体系立てる作業をおこなう。渡邉は、現代アメリカ文学におけるホテル的空間の総括と新たな文化史の構築――市へのまなざしと交わるところの考察をまとめる。
上記に並行して、勉強会をおこない、研究全体の進捗状況を勘案したうえで、共著企画をたちあげ、出版を目指す。

Causes of Carryover

コロナ禍の影響で、2019年度に引き続き2020年度に予定していた、池末、後藤、渡邉の国内外海外調査は中止となり、海外出張および国内出張費が使用できなかった。加えて千代田の外部研究者招聘による連続講義も延期となっている。そのため、2019年度同様、図書費やオンライン勉強会に関わる諸費用などの支出は予定より増額となり、池末の出張予定費用の一部は繰り越しとなった。コロナ禍収束の状況に留意しながら、調査旅行は2021年度後半におこない、千代田の連続講義企画も2021年度後半に延期の予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2020

All Presentation (4 results) (of which Invited: 4 results)

  • [Presentation] ホテル的空間の文化史序説―ウィリアム・ディーン・ハウエルズと19世紀末のホテル2020

    • Author(s)
      池末陽子
    • Organizer
      日本アメリカ文学会関西支部例会シンポジウム「変容する<ホテル>の時空間」
    • Invited
  • [Presentation] モーテルへの逃避―『ロリータ』をめぐるエスノケープ2020

    • Author(s)
      後藤篤
    • Organizer
      日本アメリカ文学会関西支部例会シンポジウム「変容する<ホテル>の時空間」
    • Invited
  • [Presentation] The Glimpses of the MoonとThe Great Gatsbyにおける〈ホスト/ゲスト〉〈ホスト/パラサイト〉のたゆたい2020

    • Author(s)
      千代田夏夫
    • Organizer
      日本アメリカ文学会関西支部例会シンポジウム「変容する<ホテル>の時空間」
    • Invited
  • [Presentation] 錯乱のコズモポリス―『マーティン・ドレスラー』におけるポストヒューマン的身体としての「ホテル」2020

    • Author(s)
      渡邉克昭
    • Organizer
      日本アメリカ文学会関西支部例会シンポジウム「変容する<ホテル>の時空間」
    • Invited

URL: 

Published: 2021-12-27  

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