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2019 Fiscal Year Research-status Report

Counter-Reformation and Book Production in Syon Abbey

Research Project

Project/Area Number 19K00437
Research InstitutionShikoku University

Principal Investigator

向井 剛 (向井毅)  四国大学, 文学部, 教授 (40136627)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywordsサイオン修道院 / ウィットフォード / 初期印刷本 / 書物出版史 / 対抗宗教改革
Outline of Annual Research Achievements

研究の初年にあたる2019年度は、調査を始めるにあたり対象となる3作品/A Work for Householders/、/The Golden Epistle/、/A Werke of Preparacion/の出版史及び各コピーに関する従来の記述を確認・整理することから始めた。その結果、これらの作品はそれぞれ単独で出版されたケース、2つ(及びその他の作品)が組み合わされて出版されたケース、そして3作品(とその他)がまとめられ/A Work for Householders/の標題で作品集として出版されたケース、があることが判明した。加えて、/A dayly exercice and experyence of deathe/や/Preparation for Communinon, the Crosrowe or ABC/などの標題を持つ作品との組み合わせも問題となり、1530年から1540年にかけてのR. Whytfordの著作物出版は、当初の予想を超えて複雑であり、作品間の関係性(つまり、いかなる作品がいかなる順序で配列されるか。その後、いずれの作品が削除、或いは付加されるか。それはいかなる動機か)や出版史の詳細な確認と整理・記述に多くの時間を要することになった。しかし、主要な版のPDFと先行研究図書及び関連する論文を入手し、一部については版の書誌記述とともに本文校合を行うことで、目指す研究の全体像をより明快に把握することができた。
上記の理由から、2019年度に予定していた/A Werke of Preparacion/の2つの版の比較校合の作業は手控え、研究遂行の手順を改めた上で、実施することにした。
また、PDFによる入手不可能な作品コピーを観察・記述するために、当初予定していた該当図書館の訪問調査は、新型コロナウィルス蔓延のために延期をせざるを得なくなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

「研究実績の概要」の項で記したとおり、3作品/A Work for Householders/、/The Golden Epistle/、/A Werke of Preparacion/の出版状況が、申請者の予想を超えて複雑に入り組んでいることが判明し、その整理なしには前に進めることができないことがわかった。そのために、研究手順を改め、初年度(2019年)は先ず3作品の出版史全容の整理・把握につとめ、それを一覧にした「出版史」の作成までこぎつけることができた。
並行して、作品の主要なコピーをPDFで入手し、一部本文の校合を行い、編集の跡を抽出することができた。これにより、今後規模を拡大して実施する比較作業への展望を得ることができた。なお所属大学で利用可能なEEBO(Early English Books on-line、英国初期印刷本)だけでは、すべての版の本文を入手することができないため、当該資料を有す図書館からマイクロフィルムの提供を受けるか、或いは訪問調査を実施して、比較調査を徹底する必要がある。
加えて、予算の多くを用いて、関連する研究図書と論文を、逐次、購入・収集し、比較作業終了後の纏めと解釈に資するよう準備を進めた。
また本年度(2020年3月)に予定していた訪問調査は、新型コロナウィルス災禍の関係で、中止・延期をせざるを得なかった。

Strategy for Future Research Activity

3作品の出版史に整理をつけた初年度の研究を踏まえて、第2年度は、/A Werke of Preparacion/と/The Golden Epistle/に焦点を当てて、書物のつくりと本文比較を行い、異端とされる言説の改訂問題、各作品の特色と受容、意図された購入者・読者層の解明を行う。ヘンリー8世のもとに行われる宗教改革前夜にあって、「対抗宗教改革」の試みとして位置づけられサイオン修道院の出版戦略の一翼を担うこの2作品が持つ意味について考察を加えたい。もっとも複雑な出版形態をとり、10度にも及ぶ再版を繰り返した/A Work for Householders/は、予定どおりに最終年の2021年度に考察を行う。
新型コロナウィルスの蔓延のために延期している現地調査(PDFにより入手不可能な作品)は、渡航解除が解け、図書館での閲覧が可能になり、安全が確認され次第、実施する予定である。また、関連する文献の収集も引き続き行う。

Causes of Carryover

計画していた海外での調査研究(2020年3月)が、新型コロナウィルス蔓延により当該国渡航禁止となったために、実施することができなかった。安全が確認でき次第、延期分を2020年度に予定している訪問調査と合わせて行う計画である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 「ド・ウォードの重要性を予見していた野口教授」 (シンポジウム「Malory in Japan―日本では近年どのようなMalory研究がなされてきたかー」2019

    • Author(s)
      向井 剛
    • Organizer
      国際アーサー王学会日本支部第33回年次大会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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