2021 Fiscal Year Research-status Report
アメリカ演劇における家族表象の歴史的変遷と文化的多様性に関する研究
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19K00450
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡本 太助 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 准教授 (90523176)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アメリカ演劇 / 家族 / 歴史的変遷 / 文化的多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の3年目にあたる令和3年度には、アメリカ演劇におけるホームの表象に関する研究のうち、①家庭における女性の役割と新自由主義経済の関係、②デモクラシーと個人の関係、③パンデミックと都市部における連帯、④ラティーノのコミュニティの21世紀初頭における変化などのテーマに関する研究を行った。これらの研究では、ホーム表象の歴史的変遷と文化的多様性の両方に焦点を合わせ、全体として体系的な研究を行うことができた。 具体的な研究成果としては、①は日本アメリカ演劇学会第10回大会シンポジウム(2021年8月28日、オンライン開催)にて口頭発表を行い、同シンポジウムではコーディネーターと司会も兼任した。②は日本アメリカ文学会第60回全国大会シンポジウム(2021年10月3日、オンライン開催)にて口頭発表を行った。③は日本英文学会九州支部第74回支部大会シンポジウム(2021年10月16日、オンライン開催、前年度から延期となっていた)にて口頭発表を行った。④については、日本演劇学会2021年度研究集会シンポジウム(2021年12月5日)に講師として招かれ口頭発表を行った。 令和3年度は主として口頭発表のための準備に注力したため、論文の刊行はなかった。今回の研究内容は、令和4年度以降に準備論文として刊行するため準備を進めてゆく予定である。また上記③については、今年度中に刊行予定の共著書に収められることになっており、現在原稿の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
依然として海外での調査研究活動が制限されているが、パンデミックにおける演劇の実践および直面する課題などを、本来の研究テーマである「ホーム」と関連させて研究する方策を探ったことが奏功し、共著書のための論文執筆および別のシンポジウムの企画へとつながった。また令和3年度は女性やエスニック・マイノリティ、同性愛者についての研究もバランスよく進めることができ、本研究の主要なフォーカスである「文化的多様性」についての研究が大きく進展した。必ずしも当初計画の通りに進んでいるとは言えないが、特殊な状況に柔軟に対応しながら、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、過去3年間に行った研究を論文としてまとめアウトプットしてゆくことに注力する。少なくとも今年度中に3本の論文を刊行または刊行予定の状態にすることを目指す。前年度から継続するトピックとしては、パンデミックとアメリカ演劇の関係についてのシンポジウムを企画し、8月に実施する予定となっている。本研究課題終了後にも、本研究の成果を引き継ぐ形で、パンデミックに関する研究をさらに継続したいと考えている。さらに、本研究課題の成果を数年以内に書籍として刊行する予定であり、そのための準備として、国内外の演劇関係者および研究者へのオンライン・インタビューを行うべく調整中である。
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Causes of Carryover |
国内学会への出張旅費および海外での調査のための旅費として想定していた経費が40万円ほどあったが、新型コロナウイルスの感染状況の改善が見られない状況のため学会のリモート開催や出張取り止めが相次いだため、未執行のまま残っている。引き続き旅費および人件費の執行を目指して研究を進めるが、執行が困難な場合は物品費に割り当てし直すこともやむなしとする。
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Research Products
(4 results)