2021 Fiscal Year Research-status Report
History of American Sentimental/Domestic Novels
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19K00452
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
田邉 千景 学習院大学, 文学部, 教授 (10316812)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アメリカ文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトの意義は、ルイザ・メイ・オルコットとヘンリー・ジェイムズの影響関係を分析することで、アメリカ感傷/家庭小説がアメリカ近代リアリズム小説の形成に与えた影響を明らかにすることである。 本年度も引き続きコロナ禍の影響で、研究対象となるアメリカの文書館や図書館の閉鎖が続いたため渡米しての資料調査が実施できず、2019年度に実施した資料調査で収集した資料の分析を継続した。また、近年可能となってきたインターネット上で入手可能となった資料の収集に心掛けた。感傷/家庭小説から近代リアリズム小説への展開におけるミッシングリンクとしてのとらえる視点から、ジェイムズの初期の作品の分析を継続するとともにその影響を受けた20世紀の家庭小説の分析も継続した。また、ジェイムズが読んだことが明らかとなっているオルコットの初期の作品の分析、並びに、ジェイムズの作品の中でも、感傷/家庭小説的プロットをもった作品の分析を行った。 当該年度はアメリカにおけるジェンダー批評がいかにオルコットやジェイムズの描いた女性主人公および感傷小説を読み直しているかについての検証も行った。20世紀末から盛んになったアメリカ文学批評における感傷小説の読み直しの流れの中で、オルコットやジェイムズに対する評価はどのように変わったのか、その結果いかに作品の解釈や受容が変化したかについて考察することで、家庭/感傷小説がリアリズム小説へと展開する過程がより鮮明になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナによる海外渡航規制のため、目的としていた資料収集が果たせなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
徐々にアメリカの文書館や図書館が部外者にも開かれてきたため、夏季休業などを利用して資料調査を実施して、これまでの遅れを取り戻す予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で計画した海外資料調査が実施できなかったため、2022年度に改めて実施する予定である。
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Research Products
(1 results)