2021 Fiscal Year Research-status Report
Jack B. Yeats and Vernacular Culture: Representation of Popular Entertainment Cultural Activities
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19K00457
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
三木 菜緒美 (服部菜緒美) 帝京大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (20461535)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Jack B. Yeats / アイルランド文化 / サーカス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ジャック B. イェイツが制作した様々なジャンルの作品を対象とし、ヴァナキュラー文化がどのように表象されているかについて調査し、アイルランドの社会的・文化的コンテクストと照らし合わせ、その意義を考察・検証するものである。 2021年度は、前年度に引き続き、新型コロナウィルス感染症の影響により、計画していた海外調査は実施できなかった。そのため、国内において関連する資料の収集やジャック作の絵画、演劇、小説などの作品分析、文献調査を行なった。 計画では、1) ジャックの劇・小説を読み進め、大衆娯楽文化がどのように扱われているかを分析・考察すること、2) 大衆娯楽文化について、ジャックのイラスト・絵画・演劇で取り上げられているサーカス、パントマイム(ハーレクイン、クラウン)等に焦点を当て、アイルランド文芸復興との関わりを視野に入れつつ、19世紀後半から20世紀にかけてのこれら大衆娯楽文化の歴史・概要をまとめていくこととしていた。 1) については、現在まだ進行中であるが、1930年出版の自伝的散文作品Sligoを始め、1933年出版の劇三部作、1930年代から1940年代前半にかけて執筆された劇4作品についてテクスト分析を行なっている。2)については、ジャックのイラスト・絵画・演劇におけるサーカス関係作品についてはまとまりつつあるが、19世紀後半から20世紀にかけてのサーカスと演劇との関係は非常に複雑であり、その歴史概要のまとめにはもう少し時間がかかりそうである。 国内学会として IASIL JAPAN(10月)のシンポジウムで、1910年代から20年代に描かれたジャックの油彩画とその背後にある紛争の歴史との関係についての口頭発表を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は、昨年度に引き続き、新型コロナウィルス感染症の影響により、計画していた海外における調査はできなかった。計画では、1) ジャックの劇・小説を読み進め、大衆娯楽文化が作品にどのように扱われているかを分析・考察すること、2) ジャックのイラスト・絵画・演劇で取り上げられているサーカス、パントマイム等に焦点を当て、アイルランド文芸復興との関わりを視野に入れつつ、19世紀後半から20世紀にかけてのこれらの大衆娯楽文化の歴史・概要をまとめていくこととしていたが、1)2)ともに、少しずつ進められてはいるものの、成果を出すには至っておらず、まだ時間が必要である。 以上の理由により、現在までの進捗状況はやや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は完成年度にあたるため、成果となる論文の執筆・出版を目標とする。そのため、1) 昨年度から継続して、ジャックの劇・小説のテクスト分析を行い、2) アイルランド文芸復興との関わりを視野に入れつつ、サーカス、パントマイム等の歴史・概要のまとめを完成させ、3) ジャック作品とこれら娯楽文化の関わりについて分析・検討し、論文にまとめることとする。 また海外調査が可能となった場合は、できるだけ早い時期に海外調査を行い、成果に反映させたい。
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