• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

19世紀のケルト学の発展におけるフランスの貢献に関する研究

Research Project

Project/Area Number 19K00475
Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

梁川 英俊  鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (20210289)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2024-03-31
Keywordsケルト学 / エルネスト・ルナン / グウェンフラン / ヤン=ファンシュ・ケメネール / ケンムン / ケルト人種 / ブルターニュ / 妖精
Outline of Annual Research Achievements

今年度も昨年度と同様に、新型コロナ・ウイルス感染症の拡大のため、予定されていた海外出張等を行うことができなかったので、研究代表者が責任編集者となって進めている日本ケルト学会50周年記念論文集『ケルト学の現在』の執筆・編集作業に専念することにした。その結果、論集全体の「総論」に当たる「ケルト学の理解のために」と、ブルターニュに関連する2論文「グウェンフランのブルターニュ」および「エルネスト・ルナンの『ケルト諸人種の詩歌』について」を完成させることができた。
「ケルト学の理解のために」はケルト学の発祥から今日のケルト学に至るまで、その歴史と中心的な論点をまとめた論考であり、ケルト学があくまでもケルト語を核とする学問であることを強調した。ブルターニュに関する論文2編は、各々口頭伝承と人種論を論じている。同論集は現在初校の段階であるが、今秋には三元社より出版される予定である。
一方、研究代表者が過去7年間代表幹事を務めた(今年度4月より交代)日本ケルト学会の第42回研究大会を本務校の鹿児島大学で開催し、1件の発表を行ったほか、例年研究大会の最後に行われる小シンポジウム「フォーラム・オン」でコーディネーターを担当し、報告1件を行った。
発表では、2019年に死去した友人にして研究仲間であり、ブルターニュを代表する民謡歌手・研究家であったヤン=ファンシュ・ケメネール氏について、「ヤン=ファンシュ・ケメネールの功績について」というタイトルで、その業績を振り返った。小シンポジウムでは、「奄美のケンムンを「ケルト」の視点から見る」というタイトルのもとに、研究代表者のもう一つの専門である奄美研究とケルト研究との共通点・類似点を探るべく、奄美の妖怪であるケンムンとケルト伝承の妖精を題材として、3名で報告と討論を行い、研究代表者は「奄美のケンムン伝説について」という発表を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

海外渡航が難しい状況が続いている中、当初予定された海外調査を断念せざるを得なかったが、代わりに文献上の充実した調査が可能になり、多くの書籍を購入・閲覧することができた。また、日本ケルト学会50周年記念論文集に執筆した論文も、当初の予想を上回る質と量になったため、当初の計画以上に進展していると考える。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究は、19世紀のフランスのケルト研究をある程度総括したうえで、それが20世紀のケルト学に与えた寄与について考えてみたい。特に、19世紀から20世紀にかけて活躍した歴史家カミーユ・ジュリアンを中心に、20世紀において描かれるガリア像の特徴を考えてみたい。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた理由については、新型コロナ・ウイルス感染症による出入国制限により、予定していた海外渡航ができなかったことが大きかった。また国内の研究集会等も次々とオンライン形式に切り替えられる中、国内旅費も1度しか使用する機会がなく、大半の支出は書籍等の物品の購入のみとなった。現在の航空運賃の高騰を考えると、今年度も海外渡航は難しいと思われるので、現在重要な問題と考えているケルト学における英仏相互の影響関係を解明するために必要な文献を充実させることに重きを置いて予算を使用していきたい。

  • Research Products

    (6 results)

All 2024 2023 2022

All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] ケルト学の理解のために2024

    • Author(s)
      梁川英俊
    • Journal Title

      ケルト学の現在

      Volume: 1 Pages: 13-73

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] グウェンフランのいたブルターニュ2024

    • Author(s)
      梁川英俊
    • Journal Title

      ケルト学の現在

      Volume: 1 Pages: 159-214

  • [Journal Article] エルネスト・ルナンの『ケルト諸人種の詩歌』について2023

    • Author(s)
      梁川英俊
    • Journal Title

      ケルト学の現在

      Volume: 1 Pages: 247-284

  • [Journal Article] フランス考古学におけるケルト人2022

    • Author(s)
      梁川英俊
    • Journal Title

      ケルティック・フォーラム

      Volume: 25 Pages: 26-27

  • [Journal Article] 出版物を通して見る日本ケルト学会の50年2022

    • Author(s)
      梁川英俊
    • Journal Title

      ケルティック・フォーラム

      Volume: 25 Pages: 35-39

  • [Presentation] ヤン=ファンシュ・ケメネールの貢献について2022

    • Author(s)
      梁川英俊
    • Organizer
      日本ケルト学会第42回研究大会
    • Invited

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi