2021 Fiscal Year Research-status Report
A comprehensive compilation of folklore culture founded on materials from Northern Russia: A proposal.
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19K00478
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
塚崎 今日子 北海道科学大学, 未来デザイン学部, 准教授 (20347727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊野谷 葉子 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 准教授 (70581784)
中堀 正洋 慶應義塾大学, 外国語教育研究センター(三田), 講師(非常勤) (70460087)
山田 徹也 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 講師(非常勤) (00750340)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 北ロシア / フォークロア / マルチメディア資料 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、ロシア連邦アルハンゲリスク州上トイマ地区フォークロア調査資料のマルチメディア資料集刊行に向け、前年度の研究成果を踏まえ、10回のZoom会議で互いの進捗状況を確認しつつ、以下の作業を進めた。すなわち、①ロシア語資料の聞き起こしと和訳、②紙媒体の論考集の章立て構想の更新、③出版社との打ち合わせ、④デジタルデータの公開方法の検討、⑤ロシア人研究協力者執筆資料の共同翻訳、⑥論考集の執筆開始、である。 当該年度は、前年度実施を見送った上トイマ地区で現地調査を行い、資料の不足や不明部分を補い、インフォーマントまたは家族の資料公開許可を取り、現地協力者と協議を行う予定であった。しかし、世界的な新型コロナウイルス感染の流行の継続により再度見送りとなった。 研究担当者は、上記の作業と並行し、上トイマ地区で採録した資料に基づき、以下の研究発表、論文執筆を行った。すなわち、熊野谷は2022年3月16日から20日にかけてロシア連邦リャザン市において行われた第五回全ロシアフォークロア研究者大会にオンライン参加し、報告「ピネガ人に関する語りとピネガ人自身の体験談:特定地域の民俗への内外の視点」(ロシア語)を行った。この報告は論文化し編集委員会に投稿済みであり、2022年度中に書籍化される予定である。中堀は、ロシア・フォークロアの会において「現代ロシアの歳時儀礼 復活祭、スヴャートキ、マースレニツァ」というタイトルで発表を行い、同会会報に「トイマの歴史」を発表した。塚崎は論文「シュリクンとポルードニッツァを繋ぐ環としてのヴォジョ─『フライパンを持つシュリクン』の考察から─」(ロシア語ロシア文学研究第53号)を発表した。 再度現地調査の実施が見送られた中、遠隔会議システムを活用し、従来よりも密に情報交換を行い、出版に向けて具体的な道筋が見えてきた点は一定の成果であったと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ロシア語音声資料の文字起こしに予想外の時間がかかった結果、公開するデジタルデータの準備、および紙媒体の論考集に載せる論文の執筆が予定より遅れている。 また【研究実績の概要】でも述べたように、世界的な新型コロナウイルス感染の流行により、本来2年目に実施する予定であった上トイマ地区での現地調査を当該年度も行うことができなかった。これらの状況から、抜本的な計画の見直しを行わなければならかった。
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Strategy for Future Research Activity |
世界的な新型コロナウイルス感染の流行に加え、ロシアのウクライナ侵攻による政情不安の鎮静化の見通しがつかないことから、2022年度内のアルハンゲリスク州トイマ地区での現地調査の実施は現実的とは言えない。そこで、現地調査は見送り、現地のロシア人協力者と連絡をとりつつ、日本国内での論考集の出版とデジタルデータの公開に集中して作業を進める。
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Causes of Carryover |
当該年度に予定していたロシアでの現地調査(アルハンゲリスク州上トイマ地区)が、世界的な新型コロナ感染の流行により実施できなかった。また、作業としては音声資料の文字起こし、翻訳作業が主であり、成果物の出版にもいたらなかったため、出費の必要が生じなかった。 次年度は、成果物の出版、それに伴う諸経費などに使用する計画である。
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Remarks |
現在は準備中。論考集と紐づけ、デジタル資料をここで閲覧できるするようにする予定である。
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Research Products
(5 results)