2023 Fiscal Year Research-status Report
The view on children and children's rights in Sveriges Radio's broadcasts
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19K00531
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
上倉 あゆ子 東海大学, 文化社会学部, 准教授 (70467520)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 北欧 / スウェーデン / 子ども文化 / ラジオ・テレビ / メディア / 子どもの権利 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年11月にスウェーデンでの現地調査を実施し、主としてスウェーデン王立図書館を訪問し、研究対象としている作家Gunnel Lindeに関する資料・情報の収集を行なった。王立図書館のアーカイブにGunnel Lindeの自筆メモや手紙、制作に関わったテレビ・ラジオの番組脚本等の貴重な資料が保管されていることがわかり、それらの閲覧を進めた。その中で、Lindeがかなり早い段階からラジオ・テレビ番組制作時に子どもの権利や多様性を意識した内容を盛り込んでいたこと、子どもの安全な生活のために行政や関係機関に問い合わせをする番組制作をしていたことなどが判明し、スウェーデン児童文学関係の文献からのみでは得ることができなかった情報を入手することができた。資料からは、LindeがAstrid Lindgrenや他の著名な作家、児童養護に関わる研究者などと精力的にやりとりをし、子どもの権利擁護に繋がる番組や作品のアイディアを次々に出していたこと、様々な方策でその理念を一般社会に浸透させる道を探っていたことが明らかとなった。 王立図書館の視聴覚ブースでは、Lindeがプロデューサーを務めたり自ら進行役をしていた番組の一部を視聴することもできたが、それらを通しても、今日の日本から半世紀以上先んじて、「子どもの権利」がスウェーデンの(子ども)文化の中で目を向けられていたものであることが確認された。Lindeは、今日では「忘れられつつある」と形容されることが多い作家だが、スウェーデンの子ども文化において果たしたその役割の大きさについては、再評価されるべきであろうと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題では3年間で複数回の現地調査(資料情報収集)を実施する計画となっていたが、これまで2022年および2023年の2回にとどまっている。海外出張が可能な時期や期間にも制約があることから、スウェーデンラジオでの資料収集も実施できておらず、まだ不十分な部分がある。また、学内業務および家庭の事情もあり、得られた情報の整理については2024年度に進める予定となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年11月の現地調査では、作家Gunnel Lindeに関する貴重な情報が得られた。Lindeが関わった番組でどういった内容が盛り込まれていたかはたいへん興味深く、スウェーデンの子ども文化について考察する上で、決して無視することのできない存在であることが確認された。子どもの権利擁護において大きな役割を果たしたLindeについては、2024年度中に一度論考をまとめ、発表できる方向で進める予定である。2024年度中にもう一度現地調査を実施し、スウェーデンラジオSR(もしくはスウェーデンテレビSVT)において、「子どもの権利」意識と関わる放送の歴史に関して、更なる情報を得たいと考える。 2024年度は課題の最終年度となるため、2023年度までの現地調査で得られた情報をさらに補完する形での資料収集等を行ない、これまでの成果を形にする作業を進展させたい。
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Causes of Carryover |
当初3年間での研究遂行を計画し、計3回のスウェーデン現地調査を予定していたが、これまで2022年度および2023年度にそれぞれ1回ずつの計2回しか実施できていない。2023年度には現地調査を2回実施する予定としていたが、学内業務や家庭の事情のため、最終的に1回のみとなったため、次年度使用額が発生している。 2024年度は、最終年度としてこれまでに得られた情報を補完するための現地調査を実施する予定にしており、その調査費用および関連する文献資料購入費用として使用する予定である。
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