2023 Fiscal Year Research-status Report
An Experimental Phonetic Study of Speech Timing Control in Kagoshima Japanese
Project/Area Number |
19K00562
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
竹安 大 福岡大学, 人文学部, 准教授 (80585430)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 促音 / 特殊拍 / 音声知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本語における音節の時間制御の特徴を明らかにするため、特殊拍(長音、促音、撥音)のうち促音を対象とし、調音点による影響、発話速度の変化の影響、判断境界値に影響を及ぼす非言語的要因の影響を調べる音声産出実験、知覚実験を実施した。その結果、(1)摩擦促音に関しては、調音点(s, sh)によって子音持続時間の分布が異なり、それと対応する形で音声知覚においても調音点により判断境界値が異なること、(2)発話速度が徐々に変化していく音声の知覚においては、発話速度が徐々に早くなっていく場合と徐々に遅くなっていく場合で知覚(促音判断境界値)に対する影響の現れ方が異なる可能性があること、(3)同一話者に対して同一の音声刺激を用いた場合でも、最初に実験を行ったときと、その後しばらく(2週間~4週間程度)時間をおいてから再度実験を行ったときの結果を比較すると、誤差と見なせる範囲を超えて促音判断境界値が変動する場合があることが明らかとなった。 (3)については、判断境界値の変動度合いによっては音声産出と知覚の対応関係の議論における解釈に注意を要する可能性があるため、この点についてより詳細に検討するため、研究期間を延長することとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までの研究成果に基づき、音節の時間制御をより一般的な視点から説明できる方法を探るための方法論の検討を行って音節の時間制御に関する分析を実施した結果、学術論文1件と学会発表2件を行うなど一定の成果をあげることができたことから、おおむね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度中に行った音声産出・知覚実験のうち、まだ分析等が完了していない部分について分析を終え、論文投稿を行う。
|
Causes of Carryover |
2023年度中に行った研究のうち、分析が完了していないデータが存在するため、予算の一部を次年度に繰り越し、2024年度中に分析を済ませて論文として投稿する。
|
Research Products
(3 results)