2023 Fiscal Year Research-status Report
民俗語彙と特有文法に着目した、チベット語東西方言の記述的・通時的研究
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19K00567
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
海老原 志穂 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (30511266)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | チベット諸語 / チベット・ビルマ系諸語 / 地理言語学 / 言語地図 / 伝播 / 地理分布 / 言語接触 / モンゴル語 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度も現地調査の実施がかなわなかった。そのため, 引き続き, 代表者自身によるこれまでの調査記録の整理・公開を行い, 各種文献の精読につとめた。地理言語学的研究としては, チベット・ビルマ系諸言語における, 数詞, 語順, 「兄弟」を指す親族名称に関して共著論文をまとめた。また, 2022年度に行った発表に基づき, チベット諸語とモンゴル諸語の言語接触について地理言語学的な視点から考察した共著論文を筆頭著者としてまとめた。言語記述の一環で「アムド・チベット語におけるアスペクト」を共著論文として発表した。 その他, 鶴見大学で開催された公開講座「内陸アジアの高地文化に触れてみる」において, 「文学理論もヒマラヤを超える? チベット詩の世界」と題する招待講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
特に中国への渡航が難しく、現地調査が行えなかったため、牧畜・農耕関連の語彙について十分なデータを収集できず、言語地図の作成に遅延が生じているため。
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Strategy for Future Research Activity |
中国での現地調査がまだ難しいため、その代替として、ネパール、インド、パキスタンでの現地調査の実施の他、日本在住のチベット語話者からの聞き取り調査を検討している。その上で、すでに『チベット牧畜文化辞典』 にまとめたチベット東北部のデータも用い、言語地図の作成を試みる。また、同辞典の英訳も進め、出版を行う予定である。
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Causes of Carryover |
令和5年度までは新型コロナウイルス感染拡大の影響で予定していた現地調査のための国内外渡航が延期・中止となった。令和6年度にはこの差額 を資料購入、データ購入、そして、現地調査のための旅費にあてる予定である。
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[Book] 『チベット文学と映画制作の現在 SERNYA 別冊:「チベットのむかしばなし しかばねの物語」特集』2023
Author(s)
星泉 , 海老原志穂 , 岩田啓介 , 大川謙作 , 三浦順子 , 蔵西 , 松尾みゆき , ウジャ・パクパジャプ , 小野田俊蔵 , 鈴木博之 , ルチュ・パクパジャプ , 佐藤友紀子
Total Pages
136
Publisher
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
ISBN
9784863374065