2020 Fiscal Year Research-status Report
A micro-typological study of inter-parametric covariation in Bantu languages
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19K00568
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
品川 大輔 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (80513712)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | バントゥ諸語 / ミクロ類型論 / 形態統語論 / 類型間連動関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の研究実績としては,南アフリカ共和国で話される6つのバントゥ系言語,すなわちヴェンダ語(Tshivenda, S21),ツォンガ語(Xitsonga, S53),スワティ語(Siswati, S43),北ソト語(Sepedi, S32),南ソト語(Sesotho, S33),南ンデベレ語(South Ndebele, S407)の形態統語論的特徴に関する記述データを資料集の形で集成した共編書(Lee, Seunghun J., Yuko Abe and Daisuke Shinagawa (eds.) Descriptive materials of morphosyntactic microvariation in Bantu vol. 2: A microparametric survey of morphosyntactic microvariation in Southern Bantu languages, Tokyo: ILCAA)の公刊を挙げることができる.バントゥ諸語内部の形態統語論レベルのミクロ類型論的分析のために設計された142のパラメータ・セットを用いて収録された各言語のデータは,2020年3月に南ア・ヴェンダ大学で2週間にわたって行われたワークショップにおいて現地の各言語の専門家とともに収集されたものである.また.その際に収録した音声データは,音声分析プログラムpraatによる分析結果とともにデジタルデータ化し,それらにアクセスするためのデータアーカイブサイト(https://renelda.aa-ken.jp)を構築,公開した.その他の成果発信としては,焦点表示と否定表示の類型的連動関係に関する国際共著論文が国内学術誌に掲載予定,またバントゥ諸語の類型的多様性に関する国際書籍への章論文が出版の最終段階にあることなどが挙げられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
バントゥ諸語に見られる主に形態統語論レベルにおける類型間連動関係の分析を趣旨とする本研究課題においては,その主要なデータソースのひとつとしてロンドン大学SOASの研究プロジェクトによって構築されたデータベース(Bantu Morphosyntactic Variation Database, BMV)を用いている.当初計画においては新たなデータ収集のための現地調査を予定していたが,BMVの網羅的なデータに加え,これまでの現地調査による収集資料(未分析であったものを含む)の蓄積によって,上述のような形での成果発信が可能になっている.その意味で進捗の遅れは最小限度であり,成果公刊の点だけに関して言えば当初予定と遜色ない形で進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
計画最終年度の本年度は,研究の締めくくりと成果公刊が中心となる.すでに本年6月には2つの国際学会(10th World Congress of African Linguisticsと8th International Conference on Bantu Languages)が予定されており,それぞれで研究発表が予定されている.また,そのうちの前者は海外研究者との共同発表であるが,その内容を拡張した形での国際共著論文執筆の構想も進んでいる.また,新たなデータ収集のための現地調査は見通せないものの,未分析データの分析また電子化も同時に行うことで,このプロジェクトの資料面での成果の構築も進める.
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Causes of Carryover |
2020年度内に予定していた海外渡航(現地調査および学会発表)がすべて遂行不可能になったため
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[Journal Article] South Ndebele (S407)2021
Author(s)
Masilela, Piet, Daisuke Shinagawa, Bafana Mathibela
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Journal Title
Descriptive materials of morphosyntactic microvariation in Bantu vol. 2: A microparametric survey of morphosyntactic microvariation in Southern Bantu languages
Volume: 0
Pages: 257-331
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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