2020 Fiscal Year Research-status Report
Research on translatability and translation methods of role language and character language
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19K00574
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金水 敏 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70153260)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 役割語 / キャラクター / 翻訳 / 村上春樹 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和二年度は、以下の論文を公刊した。(1) 金水 敏 (2020) 「村上春樹と関西方言について:遠心的/求心的な移動とポリフォニー」(中村三春(監修)・曽秋桂(編集)『村上春樹における移動』pp. 23-40、淡江大学出版中心)、 (2) 金水 敏・劉翔 (2020)「中国・抗日作品のメディアミックスと日本人表象:『鶏毛信』を例に」(秦かおり・佐藤彰・岡本能里子(編集)『メディアとことば 5』[特集]政治とメディア, pp. 98-116, ひつじ書房)、 (3) 金水 敏 (2021)「ポピュラーカルチャーのことば」(『日本語学』40-1, 【特集】ポップカルチャーの日本語, pp. 4-13, 明治書院)、(4) 金水 敏 (2021)「近・現代小説の片仮名の用法一斑:村上春樹『海辺のカフカ』を中心に」(加藤茂博・岡墻裕剛(編)『日本語文字論の挑戦:表記・文字・文献を考えるための17章』、pp. 26-58、勉誠出版)。また、本研究経費によって『村上春樹翻訳調査プロジェクト報告書』(4) を刊行、大阪大学リポジトリよりオープン・アクセスで公開した。 2020年9月21日にはオンラインで「役割語研究会」を実施し、申請者(金水敏)が「キャラクターと「人格」について:主にテキストにおける」を発表した。また、2021年3月21日には、メディアとことば研究会(オンライン)において、劉翔氏と共同で「中国・抗日作品のメディアミックスと日本人表象:『鶏毛信』のさらなる発展もふまえて」を発表した。 その他、本研究費の予算により、オンラインで役割語研究会を2回開催した(2020年8月22日および2020年9月21日)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の状況下ではあるが、論文4篇を公刊し、また役割語研究会を2回実施し、うち1回では申請者も発表を行うなど、盛んに情報交換を行うことができた。それらの成果として、昨年度に引き続き、『村上春樹翻訳調査プロジェクト報告書』(4) を刊行、大阪大学リポジトリから公開することができた。以上の点から、トータルとしては、ほぼ順調な進展と評価できると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
『〈役割語〉トークライブ!』の書籍化である『キャラクターと役割語』(仮題)の刊行準備が順調に進んでおり、今年度中にも刊行できる見通しである。役割語研究会はオンラインで2-3回は実施したい。村上春樹国際シンポジウムでのオンライン講演、モナシュ大における役割語の翻訳についての講演も予定されている。 理論面では、人格とキャラクターの立体的な構造によってフィクションその他における登場人物の造形モデルを、ケーススタディも含めながら、一層深化させていく予定である。
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Causes of Carryover |
消耗品として購入した海外の文献が年度内に入手できないものがあったため。
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Research Products
(7 results)