2019 Fiscal Year Research-status Report
へき地離島におけるチーム医療の解明と健康格差解消に向けた実証研究
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19K00577
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Research Institution | Aomori Public College |
Principal Investigator |
植田 栄子 青森公立大学, 経営経済学部, 准教授 (70445162)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 言語学 / 談話分析 / 診療コミュニケーション / チーム医療 / 患者中心の医療 / へき地医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目のフィールド調査は、対象のへき地離島診療所(香川県豊島健康センター)が属する瀬戸内海全域で、「瀬戸内芸術祭」という世界規模のイベントが4月~9月にかけて断続的に開催されたため、120万人の観光客訪問が終わる10月以降の遅いスタートとなった。しかしながら、10月から2月にかけては、毎月1回豊島を訪問、島内の民泊を定宿として豊島健康センターの診療所の定点観測を述べ5回行った。また、豊島健康センターの医師は2019年春より、男性医師と女性医師1名ずつの2名と3名から減員となったため、時間的制約もあり男性医師1名と患者との診療場面に焦点を当てることとした。健康センターのスタッフは、看護師3名と事務員1名でメンバーは変わらない。 データ収集の方法は、男性医師が豊島の2ヶ所で行う患者との診療場面、それを取り巻く医療スタッフのチーム医療を包括的に記録することを目指した。具体的には、音声録音データと広角レンズカメラによる映像録画データの2種類の装置で行なった。現在、音声データと映像データとを照合中である。常に2種類の機器でデータ収集ができたとは限らないため照合には現在時間を要している。 また、男性医師、診療所の医療スタッフに対するインタビュー、診療所と関係の深い周辺施設スタッフ(老人介護施設の看護師)や島内住民へのインタビューを行った。現在文字化を進めており、今夏でデータベース1年目として整えたい。 チーム医療の特徴を捉えるには、医師、看護師、事務員が一体になって、患者に対する働きかけを行っている様子が、動線と発話の両面分析により、明示化されると考える。 引き続き、診療場面の厚みのあるデータ収集と、豊島住民の多様性を把握するためのアンケート調査に進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの英k表で、今年3月以降のフィールド調査が行えないため、データ整理のみで補充や補完するためのフォローアップ調査に出来ていない。しばらくは、手持ちのデータ整理に専念したい。
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Strategy for Future Research Activity |
フィールド調査がストップしているため、2年目で予定していたアンケート調査は年末または来年にかけて実施することが現実的であろうと考えている。 まずは、1年目で収集している映像および音声データの整理と分析を進め、医師と患者のコミュニケーションの特徴、医師および医療スタッフによる患者中心の医療、またチーム医療の特徴の可視化を進めていく予定である。 フィールド調査の遅れを取り戻すにはかなり無理があるので、場合によっては研究機関の延長も選択肢として考えたいと思っている。
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Causes of Carryover |
許容範囲とみなされる少額の繰越である。
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Research Products
(1 results)