2022 Fiscal Year Research-status Report
Experimental syntax and psycholinguistic investigation of unaccusativity
Project/Area Number |
19K00586
|
Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
小野 創 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (90510561)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 日本語 / 非対格動詞 / 文理解 / 統語論 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで実施してきた実験の結果に基づいて、論文化の準備を行った。「動作主の意図性」の影響について日本語以外の言語でどのような観察が得られているのかについて、本研究課題の中心的テーマである非対格・非能格性以外の観点からも再度整理し、そこから得られた知見をもとに論文中で議論できる点があるかどうか十分に検討を進めることにした。また、先行研究で行われた他の研究者が実施した実験について結果を詳細にみつつ再現実験を行った。これにより、先行研究で得られた結果と本研究課題のもとに行われた実験による結果の違いについて細かく検討することが可能になった。これらの検討を進めたことによって論文化にあたって、より緻密な議論を準備することができ、今後どのように発展させていけるかという点を明確にすることができた。言語間の違いについて検討することが本研究計画の一部であったが、先行研究で行われた研究の多くが第二言語習得のコンテクストで書かれたものであった。そのこともあり、本研究課題のもとに行われた実験の結果と比較することを試みたが、第二言語学習者をもとにしたデータがどのような文法知識を反映しているのかを正確に把握するのは困難であった。母語話者のデータを自分たちで生成する必要がありそうだということが推定される。このような検討を通して多言語の特性が明らかになることで、それぞれの言語の個性のようなものが炙り出されてくることが期待できる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に比べて、新型コロナウイルス感染症による様々な制限が緩和された。それによりある程度研究が進めやすくなった部分があるが、リモートで多くのことを行わざるを得ないことにより、一つ一つの作業の進捗が思ったほど得られなかった。また、研究者同士の交流も以前程は回復しておらず、その点も影響があった。
|
Strategy for Future Research Activity |
新しい実験を追加で実験するのではなく、論文執筆に向けて情報を整理し、全体をまとめることを目標にする。途中であまり明確にできなかった点があったので、その点について情報収集をし、論点を絞り込む作業をすることが求められている。
|
Causes of Carryover |
海外で行われる学会に参加することができなかったため、旅費への支出がなかった。また、その他謝金なども実験が未実施のものが発生した。次年度に学会に参加する。
|
Research Products
(4 results)