2019 Fiscal Year Research-status Report
アフロアジア大語族の歴史解明に資するウォライタ語とその関連言語の研究
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19K00596
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
若狭 基道 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (30436670)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ウォライタ語 / ガモ語 / 方言 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元(2019)年8月20日から同9月17日まで、エチオピアに渡航し、首都アジスアベバのアジスアベバ大学エチオピア学研究所で必要な手続きを済ませた後、主として同国南部諸民族州ウォライタ県にてフィールドワークを行った。 そこで話されているウォライタ語に関しては、現地の人々の方言差・地域差に関する意識を何人かにさりげなく訊き出した上で、現地で長年にわたってウォライタ語の教育・発展に貢献して来たある著名な方からウォライタ語の言語問題・方言問題に関してウォライタ語で語って戴き、それを録音した。その後は別のネイティブ話者の協力を得て、その録音資料を可能な限り文字化し、分析した。 また、同県ソド市にあるウォライタ大学を訪問し、今後の研究に際しての協力関係を取り付けた。 それと並行して、ウォライタ語と近い系統関係にあると言われているガモ語のネイティブ話者と知り合い、基礎語彙調査を開始した。300語程、採集し録音することが出来た。 また、このフィールドワークとは別に、令和元年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金)(研究成果公開促進費)「学術図書」(課題番号18HP6001)の交付を受け、A descriptive study of the modern Wolaytta language(現代ウォライタ語の記述的研究)の出版の準備を進めていたが、ウォライタ語に関するいくつかの疑問点・問題点に関して適切な情報を得たり確かめたりすることが出来たのも大きな成果の1つである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、現地での調査を行うことが出来た。もう少し長期間滞在し、もう少し多く資料を採集出来ればと思わないでもないが、限られた時間で出来るだけのフィールドワークを行えたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度もフィールドワークを行い、昨年度の研究を更に進める予定であった。 だが、全世界規模でコロナ禍が発生し、令和2年4月25日現在、在日エチオピア大使館は原則として閉館、航空便も予定通り就航するのか不明、エチオピア自体が感染症危険レベル2で入国後も自費による2週間の隔離が義務付けられている、そもそも日本国内での移動も自粛が求められている状況で、今夏のフィールドワークを行うことは絶望的と言える。年度末のフィールドワークも視野に入れているが、その時にも問題が終息しているかは不明である。今は様子を見守るしかない。
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