2023 Fiscal Year Research-status Report
アフロアジア大語族の歴史解明に資するウォライタ語とその関連言語の研究
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19K00596
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
若狭 基道 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (30436670)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ウォライタ語 / 方言意識 / テキスト |
Outline of Annual Research Achievements |
2023(令和5)年8月25日から同年9月20日まで、エチオピア出張を行い、言語学的な現地調査を行った。 エチオピア到着後、先ずは首都のアジスアベバ大学で調査許可に関する手続きを進めた。これと並行して、首都在住のウォライタ語話者に現地の近況を尋ね、フィールドワークをするための下準備を行った。尚、大学内の書店等で、関連する新しい文献が出ていないか探したが、特にめぼしいものは見当たらなかった。 その後は8月31日から9月の16日まで、南西部のウォライタ県(ゾーン)のボディティに滞在した。そこではウォライタ語のネイティブ話者をインフォーマントとして、主に面接調査を行った。そこで中心となったのは、テキストの分析である。数年前にウォライタ語教育の大家(残念ながら、コロナ禍でフィールドワークが出来ない間に亡くなられた)に語って戴いたものを採集した、方言意識に関するモノローグ形式のテキストを、コロナ禍で現地調査が出来ない間に日本で文字化・分析を進めておいたものがあった。それを基に、改めて録音音声をインフォーマントに聞いて貰い、意味を確認し、問題となる文法事項に関しては追加的な調査を行い、不明な点が残らないようにした。これは現在、英訳を添えて交換するための準備を進めているところである。 また、9月7日にはウォライタの中心部であるソドを訪れ、市中での言語使用の実態を観察すると共にウォライタ大学を訪問し、著書を寄贈、研究成果を現地に還元した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍で長期間現地調査を中断したことが主な理由である。 現地調査自体は再開出来たとは言え、現地の状況・調査環境に変化が生じていて、調査を軌道に乗せるのに多少手間取った。
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Strategy for Future Research Activity |
ウォライタ語に関しては未分析のテキストがあるので、それの分析を行う。 また、ガモ語の基本調査を再開し、ウォライタ語との比較言語学的研究を進める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で現地調査が出来なかった間、補助事業期間の延長・再延長をして承認されたため。 今年度の夏に再び現地調査を行い、その旅費・人件費として使用する予定である。
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