2021 Fiscal Year Research-status Report
終助詞に関する類型論的研究-日本語と韓国語を中心に-
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19K00618
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
金 善美 天理大学, 国際学部, 教授 (20411069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田窪 行則 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 所長 (10154957)
千田 俊太郎 京都大学, 文学研究科, 教授 (90464213)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 終助詞 / 終結語尾 / 情報管理機能 / 韓国語 / 日本語 / 韓国全羅南道方言 / 自然発話 / 宮古語 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者と研究分担者の計3人は本研究の3年目の2021年度に次のような研究活動を行った。2020年に起きた新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、2021年度も感染予防のため韓国全羅南道方言の現地調査を行うことができなかった。しかし去年の報告書で述べた、2021年度も新型コロナウイルス感染症が終息しない場合に立てた研究計画は予定通り進んだ。2021年度も新型コロナウイルス感染症が終息しなかったため現地調査はできなかったが、研究代表者は研究1年目に集めた自然発話の言語データを参照しつつ、韓国語と日本語の終助詞と終結語尾の用法について比較検討を行った。またその研究成果を日本の学会や研究会で発表するとともに、関連学術誌においても発表することができた。研究分担者も各自、関連の研究を行った。以下詳述する。 金善美は韓国語と日本語の終助詞と終結語尾の情報管理機能と話し手・聞き手との相関性について研究会と学会で発表した。また情報管理機能と関連する研究として、韓国語と日本語の独話と終助詞について言語機能の三層モデル理論の観点を導入した「韓日終助詞と終結語尾の情報管理機能と話し手・聞き手との相関性,そして三層モデルの視座」と題する論文が論文集の査読を通り、現在印刷中である。田窪行則はMorphophonemics of Ikema Miyakoanと題する論文と、Language, Cognition, and Logic Viewed from the Polysemy of the Japanese Formal Noun tokoro (location)と題する論文執筆の成果があった。千田俊太郎は、「計劃言語とピジン・クレオール」と題する論文と、「エスペラントの出動形容詞の動詞活用をめぐつて」と題する論文執筆の成果があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年に起きた新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、新型コロナウイルス感染予防のため韓国全羅南道方言の現地調査を行うことができなかったが、研究初年度に集めた韓国全羅南道方言の自然発話データを始め、研究期間中購入した韓国語と日本語の終助詞と終結語尾に関する書籍、韓国済州方言に関する書籍を使い、研究活動を行うことができた。またその研究活動の成果を学会や研究会で発表し、学術誌に論文の形で投稿・掲載することができたので、現在までの進捗状況としてはおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究4年目の2022年度には新型コロナウイルス感染症が終息し次第、後続の現地調査を行い、韓国全羅南道方言を対象に壮年層と老年層の自然発話データを集める。また韓国済州方言を対象に若年層の自然発話データを集める。また2022年6月24日に、研究代表者の金善美と研究分担者の千田俊太郎は韓国の国語国文学関連の学会の国際学術大会で研究発表を行い(新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、Zoomによる遠隔参加である)、本科研の研究成果を発表する予定である。金善美は韓国語と日本語の標準語と韓国語方言の終助詞と情報管理機能について、韓国語済州方言と全羅南道方言を中心に発表を行う予定である。発表後は発表内容を論文としてまとめ、当該学会の学術誌に投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
調査のため使用する予定であった旅費が、新型コロナウイルス感染予防のため使用できず、2022年度に繰り越した。オンラインによる方言調査も難しく実現しなかったので謝金が発生せず、2022年度に繰り越した。2022年度の使用計画としては、韓国全羅南道方言と済州方言の自然発話集や関連研究書籍が新たに出版された場合は購入する。またオンラインによる方言調査を再度計画し、実現した場合は謝金を支払う。
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Research Products
(7 results)