2019 Fiscal Year Research-status Report
日本語と韓国語の閉鎖音における音響的特徴とピッチアクセントの関係
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19K00634
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
久能 三枝子 (高田三枝子) 愛知学院大学, 文学部, 准教授 (90468398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
邊 姫京 国際教養大学, 国際教養学部, 准教授 (90468124)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 音声資料 / word segmented file / 音響的特徴 / 世代差 / 聴取実験 / fo |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は分担者である邊姫京氏とともに、研究計画の相談と決定、既存資料整理と分析を行った。具体的には、分担者との相談において、既存音声資料(高田が中心となって2006~2007年に収集した音声データ)について分担を決め、音声資料に対するword segmentationの作業を進めた。その結果、年度末には概ね、この音声資料についてsegmented fileをそろえることができた。また同時に、高田は分担者として加わる科研(課題番号:16H03240、基盤B、代表:井上史雄「公共用語の地域差・時代差に関する社会言語学的総合研究」)において、1986~1989年に井上氏が中心となって収集した音声資料に対するword segmentationの作業を進め、これを度2019年度末に完成させた。これにより、2つの年代の音声資料に対し、word segmented file(PraatのtextGridファイル)をそろえることができた。この資料は今後の分析を進めるうえで基本的な資料として重要なものである。 さらに、代表者は上記資料、分担者は以前より収集したデータの分析をもとに、日本語の語頭破裂音の有声性に関わる音響的特徴について、学会で発表、および論文を発表した。代表者・高田は、日本音声学会第340回研究例会にて東北における有声性に関わる音響的特徴における世代差の存在を指摘する発表をし、分担者・邊は、同例会にて語頭破裂音の有声性弁別に関する聴取実験の結果を発表するとともに、『音声研究』23巻にてVOTとともに後続母音のfoの重要性を指摘する論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、資料整理の完成までを目標にしていたが、それを達成することができた。その上で、一部ではあるが、成果発表をすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は従来の方針としては、日本国内の調査、また相手との調整によっては韓国での調査を予定していたが、新型コロナウイルスによる情勢により、これが不可能になる可能性がある。今後の情勢を注視して、調査の可能性を考えたい。 調査ができない場合には、従来予定していた計画を一部変更する必要が生じる。とりあえず、今年度前半は調査を行うことはできないと考えるが、その後も状況が安定するまでは、手元にあるデータの分析をさらに進めて成果を出していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
代表者と分担者の相談の結果、2020年度および2021年度の調査において、国内調査回数を増やすあるいは韓国調査を1名で行う予定だったところを2名で行う方が良いという意見で合意し、2019年度の支出を抑えたため。具体的には、購入予定であった代表者のパソコンをやめたことなどによる。 しかし、今後新型コロナウイルスによる世界情勢変化のため、この調査ができるかどうかが不透明となり、改めてパソコン購入に資金を回す可能性もある。
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Research Products
(3 results)