2022 Fiscal Year Annual Research Report
A quantitative study of functional load in Japanese phonology
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19K00644
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
竹村 亜紀子 神戸大学, 人文学研究科, 人文学研究科研究員 (50597309)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 情報量 / 機能負担量 / 音韻 / アクセント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終年度:2022年度は特に語彙アクセントの情報に着目し、世代を超えてその情報がどれほど伝達されうるかという研究をアクセント資料を用いて行った。その結果、語彙アクセントの情報が第一世代から第三世代までそのまま継承されることはなく変化があることがわかった。この結果をMethods XVII (ドイツ、マインツ市)で発表した。
本研究期間全体:この研究は日本語の語彙の中で音韻に注目し、その情報量をもとに機能負担量(=重要度)を明らかにすることを目的とする。本研究では日本語のアクセントに特に着目し、その機能負担量とアクセントの型の数の予測可能性、そして語彙アクセントの情報の継承について検証した。この研究で明らかになった点は以下の通りである。 ・日本語のアクセントの型の数は、何の情報もなければ(モーラ数、語種等の情報がなければ)およそ4つの型の「数」を予測する。しかし、どのアクセント型なのかは分からない。 ・上記のおよそ4つの型がある状態から、モーラ数、語種等の情報を追加していくと(=これらの情報が分かれば)、共通日本語のアクセントの型の数が二型に近づく。つまり、二つの型に集約される。二型に近づくのは語種、モーラ数、音節構造の条件が揃った時である。そして、アクセント型の数が 2 以下(=二型)となるのは漢語と外来語のみで、和語は二型とはいえない。これはおそらく、現代の和語のアクセント型は歴史の産物であり、漢語や外来語と違い、生産的な規則の結果ではないからであると思われる。 ・語彙アクセントの情報は3世代を通じてそのまま継承されることはなく変化があることがわかった。
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Research Products
(1 results)