2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K00654
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
竹田 晃子 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 研究員 (60423993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 一夫 東北大学, 文学研究科, 教授 (00250647)
作田 将三郎 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (30566021)
鑓水 兼貴 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究情報発信センター, プロジェクト非常勤研究員 (20415615)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 方言 / 東北地方 / 小林好日 / 語彙 / 文法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、分析対象の資料の整理と分析について段階を追って進めることが必要不可欠であり、1年目にあたる2019年度は徹底して対象資料の整理を中心に行った。具体的には、調査票に通し番号をつけ、入力フォーマットを作成し、外部作業者に回答の電子入力作業を依頼する形で電子化を進めた。その結果、2019年度は、第一調査票の約2100冊余について入力が終了し、第二調査票の入力準備にとりかかった。分析対象の入力と並行して、第一調査票については、臨地面接調査のフェイスシートにあたる情報を取り出し、特に地理的情報について整理し、分析に備えた。また、次の段階に進む準備として、入力データをおおまかに検討したうえで、分析方法を検討し、特に、言語地図の作成方法について具体的な検討を開始した。言語地図を作成することで分布のありようとその形成を論じることが可能になるため、今後の重要な分析方法として位置づけられる。 研究成果として公表したものには、対象資料における文法項目の一部を分析した『東北方言における述部文法形式』(竹田晃子、ひつじ書房)、この資料の全容を紹介した公開展示報告「小林好日博士の東北方言調査の資料,東日本大震災における方言をめぐる活動の紹介」(竹田晃子・小林隆ほか、『方言の研究』6、日本方言研究会)、論文「『天保十五年伊勢参宮二月吉日』に見られる音声の方言的特徴について」(作田将三郎、『旭川国文』32)、口頭発表「近代日本方言研究史にみるアイデンティティ」(竹田晃子、ひと・ことばフォーラム29「テーマ:言語とアイデンティティ」、東洋大学)などがある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
整理作業においては、対象資料を整理しながら回答内容を電子入力中である。現在、第一調査票の整理・入力については終了し、第二調査票の入力準備中である。ここまでの作業については、大きな問題は生じていない。 ただし、今年度(2020年度)の後半に入力を開始する予定の第三調査票については、一週間ほど資料保管場所で現物調査票を閲覧したり整理したりする必要があり、機会をねらっていたが、新型コロナウイルス流行にともなう緊急事態宣言以降、それがかなわない状況になっている。遅くとも2020年秋までに資料保管場所まで出向くことができる社会状況にならない場合、研究課題が継続できないほどの大きな問題になると予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に、整理作業を継続し、対象資料のうち特に第二調査票の整理・入力を行う。それが済み次第、第三調査票についても整理・入力を開始する。ただし、第三調査票については、遅くとも2020年秋までに資料保管場所まで出向くことができない場合は必要な閲覧整理等ができず、研究課題が継続できないほどの大きな問題になると予想されるため、研究分担者と相談協力して資料にアクセスする方法を検討する。 分析については、その方法や方向について、第一調査票の統合データを研究代表者・研究分担者で共有しながら、具体的な検討を開始する。言語地図を作成することによって分布のありようとその形成を論じることが可能になるため、今後の重要な分析方法として位置づけられると考え、2019年度は特に言語地図の作成方法について具体的な検討を行ったが、これを継続する。言語地図以外の量的・質的分析についても、今年度に引き続き研究分析を並行して行いつつ、三年目以降の本格的な分析に備える。
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Causes of Carryover |
2020年度2~3月に資料保管場所に一週間ほど滞在し、資料の閲覧・整理・入力準備を行う予定だったが、新型コロナウイルスの流行にともなう社会状況に照らして出張を先送りしたため、次年度使用額が生じた。緊急事態宣言の終結等を待って2020年度冬までに出張を行いたい。
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Research Products
(6 results)