2023 Fiscal Year Annual Research Report
A study of concrete-level constructions
Project/Area Number |
19K00657
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
大谷 直輝 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (50549996)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 構文文法 / 認知言語学 / 用法基盤モデル / コーパス言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の最終年である2023年は,言語使用における繰り返されるパターンから創発する構文の中でも,具体性の高い構文を分析するための研究を進めると同時に,研究成果を公開し広めるために様々なシンポジウムやワークショップでの発表を行った。特に,実証的な言語研究の方法論と使用基盤モデルを背景とした学際的な研究に取り組み,隣接分野の研究者と共同研究を行った。 第一に,言語処理とロボティクスの研究者と「ロボティクス・NLP・AI は 認知言語学に何をもたらすか? ―大規模言語モデル時代の実証的な 言語の研究手法を求めて―」というワークショップを日本認知言語学会の年次大会で企画した。第二に,日本語文法学会のシンポジウム『意味論研究の新地平』にて,「用法基盤モデルが想定する言語知識のありようについて考える」という講演を行った。第三に,日本英語学会でシンポジウム『深層学習時代の言語研究』を企画し,深層学習,大規模言語モデル,脳科学などの知見が蓄積された現代における言語学のありようを検討した。第四に,JACETの国際ンシンポジウムにおいて,用法基盤モデルの観点から文法学習について検討を行う発表を行った。 これらの研究の意義の一つは,現在,飛躍的な進展を遂げている深層学習を言語理論に位置付けることを試みている点と言える。現時点で,深層学習のアウトプットは言語研究とは無関係という立場が現代の言語学では支配的であるが,深層学習と用法基盤モデルの共通点と相違点を注意深く考察することで,深層学習の言語分析への応用可能性を示すような研究プロジェクトを学際的に遂行している。
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