2020 Fiscal Year Research-status Report
A Large-Scale-Corpus Based Generative Theoretical Study on Core and Periphery in English Grammar and English Constructions
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19K00660
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大室 剛志 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (70185388)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 核と周辺 / 英文法 / 英語構文 / 生成理論 / 大規模コーパス / 関節疑問文 / 挿入節 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、コロナ禍の最も過酷な一年間と言える。学会への参加がかなり制限された状況下で、本科研を遂行していくことには、精神的にも肉体的にも困難を伴った一年であった。その中にあって、本科研で扱う課題の一つである間接疑問文のif節については、申請者の1985年のEL論文後、海外ではStuurman (1991),Adger and Quer (2001)、国内でもNakajima (1996)などの研究があるが、現代英語の大規模コーパスと史的大規模コーパスを利用した徹底的な実証研究がなされていないため、昨年度は、それらのコーパスを用いて、この構文の膨大な資料収集を行なったが、本年度も継続して、昨年度できなかった部分の資料集を補完的に行なった。とくにその周辺メンバーに関しての考察は皆無であるため、その周辺部の理論的な考察を現代の複数の言語理論から行なった。 本科研で扱う一定の挿入節(e.g. the fact is)に関しても、申請者の『英語学』27号論文(1984年)後、関連論文としてShibasaki (2014)があるが、一部実証的な研究がされているものの、徹底的な実証研究がなされていないし、複数の最先端言語理論による理論的分析がなされていない。そのため、昨年度に、複数のコーパスを使用して、資料収集を行なったが、本年度も、この構文についての資料集を継続して行なった。 本科件で扱う更なる2つの構文、すなわち同族目的語構文とOne’s Way構文に関しては高見・久野(2002)があるが、機能主義からの研究であり、複数の最先端言語理論からの説明ではない。そのため、来年度、理論的考察を行わなければならないが、本年度は、その課題への準備段階として、多くの理論言語学の図書を購入するとともに、それらを熟読することで、理論分析能力の向上に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記、研究実績の概要でも述べたが、本年度は、コロナ禍の最も過酷な一年間と言える。学会への参加がかなり制限された状況下で、本科研を遂行していくことには、精神的にも肉体的にも困難を伴った一年であった。そのため、昨年度行なった複数大規模電子コーパスによる課題構文の資料収集を補完する形での言語資料の収集にとどまってしまった点と、本科件で扱う6つの構文に関する複数言語理論による理論的考察が思うようにははかどらなかったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
残りの1年間で、6つの構文の統語的、意味的属性を複数の最先端言語理論、生成文法の統語理論、概念意味論、生成語彙意味論、動的 言語理論、構文文法などの観点から、細かく観察し、鋭く深く分析することで、6つの現代英語での統語属性と意味属性に説明を与える計画である。加えて、歴史コーパスを用いることにより、6つの構文の各構文における、核メンバーから派生/変種メンバーへの文法展開のメカ ニズムの解明を行う予定である。当然、上記の複数の最先端言語理論の内容を、最新の文献までつぶさに読むことで深く理解し、6つの構 文を分析できる程度まで、身につけなければならない。さらに学会で発表し、幾つかの論文あるいは一冊の著書とするには、相当来年度努力する必要がある。
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Causes of Carryover |
本年度はコロナ禍にあり、学会参加が厳しく制限され、学会自体が中止になったものもあったし、オンラインによる開催となったため、予定していた国内旅費を使うこともなかったし、研究遂行のためのさまざまな事務機器や事務道具も購入しなかった。そのため約22万ほど残ってしまった。22万であるので、来年度、研究遂行のためのさまざまな事務機器や事務道具を購入することと、学会に参加して国内旅費として使う予定である。
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