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2023 Fiscal Year Research-status Report

A Contrastive Phonological Analysis of Marginal Word-formation Processes in Japanese and English

Research Project

Project/Area Number 19K00663
Research InstitutionYamaguchi University

Principal Investigator

太田 聡  山口大学, 人文学部, 教授 (40194162)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2025-03-31
Keywordsレキシコン / 派生語 / 語種
Outline of Annual Research Achievements

令和5年度は、語形成が行われるいわゆるレキシコン(lexicon)の内部構造の解明に取り組んだ。従来の語形成理論では、少数派で特殊と思われるものを先に処理し、一般的で多数派であるものは後回しにする、という順序が提案されてきた。この順序付けは、英語の派生語形成の説明などには非常に有効であった。しかし、日本語の派生名詞(例えば、「甘み」と「甘さ」)の音韻的な振る舞いの違いの説明には、むしろ不都合であることを明らかにした。そして、代案として、日本語のレキシコンでは、特殊か一般的かという違いよりは、むしろ、規則によって計算できるか、あるいはできないか(=暗記するしかないか)という違いの方が重要であるという主張を行った。
またさらに、令和5年度は、日本語の中の和語、漢語、外来語といった語種(lexical class)の音韻的な違いの認識に、何が役立っているのかの解明に取り組んだ。大人であれば、例えば、「ニモサキ、レンビャクケー、ノイトーバー」のような臨時語(nonce word)を見せて、どれが和語的、漢語的、外来語的かを尋ねたとしても、容易に判断できて、ほぼ同じ回答が返ってくる。では、子どもは、いつ頃から、何を手がかりにして、このような語種の違いを認識するようになるのかを、花の名前に対する反応という観点から、考察していった。結論として、(もちろん個人差があり、また、子どもは「和語」や「漢語」といった概念・用語を知っているわけではないが、)3歳児であっても、和語と漢語と外来語の違いを意識し始めることとがわかった。そして、そうした区別の基準になっているのが、音素配列の違い、および音節構造の複雑さの違いである、という推察を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

令和5年度中に、これまでの研究成果をまとめ、1冊の専門書として出版する計画であったが、まだ、原稿の執筆が完了しておらず、令和6年度にずれ込んでしまった。

Strategy for Future Research Activity

本科研費の研究課題である「周辺的語形成過程の音韻的分析」のみならず、「中心的語形成過程」も含めて、総合的な語形成研究にまとめ上げ、高度な専門書として刊行する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] 乳幼児は小さな言語学者であり統計学者でもある2024

    • Author(s)
      太田 聡
    • Journal Title

      異文化研究

      Volume: 18 Pages: 63~72

  • [Presentation] ヒトの言語と脳のはなし2023

    • Author(s)
      太田 聡
    • Organizer
      日本英文学会中国四国支部第75回大会
    • Invited

URL: 

Published: 2024-12-25  

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