2019 Fiscal Year Research-status Report
A study on the syntactic structure of the middle field and related grammatical phenomena
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19K00666
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Research Institution | Miyazaki Municipal University |
Principal Investigator |
福田 稔 宮崎公立大学, 人文学部, 教授 (00228917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 浩一郎 名桜大学, 国際学部, 教授 (50279064)
古川 武史 福岡工業大学, 社会環境学部, 教授 (80238667)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中間領域 / カートグラフィー / 左周辺部 / vP / 統語構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請時の研究計画によると、平成31年度(2019年度)は「1.文献・資料の収集」、「2.研究会開催」、「3.研究成果の公表」の3つを柱とした研究活動を行う予定であった。 「1.文献・資料の収集」については滞りなく実施できた。収集した文献・資料は、「2.研究会開催」で報告し、「3.研究成果の公表」のために活用した。 「2.研究会開催」に関しては、3回の開催を予定していた。第1回研究会を令和元年(2019年)5月25日に分担者・古川武史の福岡工業大学の研究室で開催し、また、第2回研究会を令和元年(2019年)10月20日に福岡市のリファレンスはかた近代ビル貸会議室において開催した。しかし、新型コロナウイルス流行のため、令和2年3月26日に予定していた第3回研究会は中止とした。替わりに、3月26日にインターネットを利用したテレビ会議を実施した。 「3.研究成果の公表」については、代表者・福田稔が次の単著論文を執筆出版した。「A Merge-based Analysis of the Left Periphery of vP」『宮崎公立大学人文学部紀要』第27巻第1号, 2020年3月, pp. 219-232. また、分担者・中村浩一郎が次の単著論文を執筆出版し、この論文が掲載された図書を共同編集した。「英語の補文内におけるトピック・フォーカス構造のカートグラフィー分析」『言語におけるインターフェイス』2019年11月, pp. 42-55, 開拓社. また、令和2年(2020年)8月にブカレスト大学(ルーマニア)で開かれる第53回ヨーロッパ言語学会に、代表者・福田稔と分担者の古川武史と中村浩一郎の3名が共同研究として発表を申し込み、審査を受けた後、3月末に発表が決まったとの通知を受けた。発表題目は「A cartographic analysis of "clausal" nominal expressions in colloquial Japanese」である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題における、平成31年度(2019年度)の計画には、「1.文献・資料の収集」、「2.研究会開催」、「3.研究成果の公表」の3つの柱がある。上記の「研究実績の概要」で触れたように、概ね研究計画に従って研究活動を進めているので、自己評価は(2)とした。 ただ、「2.研究会開催」に関しては、新型コロナウイルス流行のため、第3回の研究会は開催できないという、予測しなかった事態が起きてしまった。これに対しては、インターネットを利用したテレビ会議の開催で対応した。令和2年度(2020年度)もこの経験を活かして、必要に応じて代替策を検討する。また、研究成果を公表するためのホームページの開設が遅れてしまっているが、令和2年(2020年)4月中に開設を予定している。 さて、申請時の研究計画には、中間領域に関する具体的な研究テーマとして、「1.論理的問題」、「2.英語の分析」、「3.日本語の分析」、「4.DPの中間領域」の4つに取り組むと記した。平成31年度(2019年度)に代表者・福田稔が執筆公表した論文は「1.論理的問題」と「2.英語の分析」を扱っており、分担者・中村浩一郎が執筆公表した論文は「3.日本語の分析」を扱っている。また、令和2年度(2020年度)8月の第53回ヨーロッパ言語学会で、代表者・福田稔と分担者の古川武史と中村浩一郎の3名が共同研究として行う予定の学会発表では、「4.DPの中間領域」を扱う。 結果として、研究活動に多少の遅れは見られたものの、次年度への影響は最小限に抑えられたと思われる。また、引き続き、バランスの取れた研究活動が進められると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度(2020年度)の当初の研究活動の予定は、主として「1.研究会開催」と「2.研究成果の公表」の2つであった。しかし、新型コロナウイルス流行のために、いくつかの変更や調整が必要となる。世界中の研究者が同様の対応を余儀なくされている状況である。しかし、以下に述べるような工夫を凝らすことで、研究の質やレベルを下げずに研究活動が遂行できるようにする。 まず、「1.研究会開催」に関しては、代表者と分担者の3名が集う形での研究会の開催は困難である。しかし、令和2年(2020年)3月にテレビ会議方式による研究会を開催したという経験を活かして、令和2年度(2020年度)は計画通りに、バーチャル研究会を開催する計画である。 次に「2.研究成果の公表」であるが、国内外の学会開催が中止になる中、第53回ヨーロッパ言語学会はインターネットを活用したバーチャル学会を開催すると発表した。これに参加することで、新しい学会の運営方式を学ぶことができると期待される。
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Causes of Carryover |
代表者と分担者2名が所属する大学で、入試業務などが落ち着く3月を中心に、福岡市での科研費による研究会の開催、関東地区での学会・講演会の参加を計画していた。また、これらの活動に合わせて、新刊書などの調査と購入を検討する予定であった。しかし、令和2年2月には福岡市内でも新型コロナウイルスの感染者が出たため、代表者と分担者2名で対応を検討し始めた。そして、3月4日に県境を超えての研究活動を停止することとした。これによって、研究図書購入のための物品費と出張のための旅費が未使用となった。
次年度(令和2年度)は、新型コロナウイルス流行が直ぐに治ると期待できないため、代表者と分担者2名で次の対応を検討している。[1]科研費による研究会は、インターネットのテレビ会議サービスを活用する。[2]新刊の研究図書についてもインターネットを活用して、購入を継続する。[3]次年度に予定していたヨーロッパ言語学会(ルーマニア、ブカレスト大学)での発表は、インターネット上での開催となった。旅費にかなりの余裕ができるので、令和3年度と最終年度(令和4年度)も海外の学会参加を目指すこととなった。
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