2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K00672
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐藤 詩恵 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (50523164)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 法助動詞 / EFL learners / modal verbs / corpus linguistics |
Outline of Annual Research Achievements |
研究開始4年目となる2022年度の研究実績は主に以下の3点である。 第一に、MICASE (Michigan Corpus of Academic Spoken English)にある法助動詞全般(can, could, may, might, will, would)の量的分析について、コーパス言語学専門の研究者1名の協力を得て全体的に見直しを行い、最終データを確定した。法助動詞の抽出結果を得たのち質的分析に移り、4名の研究補助者の協力のもと、法助動詞would、'dの統語関連の分析結果の確認をほぼ終えた。第二に、ICNALE(The International Corpus Network of Asian Learners of English)をデータとした法助動詞の研究について、前年度の研究結果をもとにwouldの(非)認識的用法など質的側面を分析し、結果を国際学会にて発表した。中国、日本、タイの英語学習者のデータに見られるwouldの全ての事例を手作業で分析することで、傾向性や問題点がより明らかとなった。第三に、法助動詞の主たる機能である心的態度表現に関連して、スタンス表現全般へと研究対象を広げ、付加疑問文をはじめとして丁寧表現、副詞、談話標識などについてこれまでの研究結果をまとめた。法助動詞と共起する表現や基本となる発話構造に関する過去の研究をまとめることで、コンテキストに即した実際の用法をより分かりやすく学習者に還元することを目的としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍の影響を受け、昨年になってようやく新たな分析方法に基づく調査が本格的に始動した。質的分析についても研究補助者が確保でき、大幅に遅れが生じていたデータ分析が軌道に乗り始めた。しかし、法助動詞wouldについては、新たに分析対象となる事例が大幅に増えるなど、当初の分析基準の見直しに多くの時間を要した。今後も他の法助動詞について、分析基準の見直しが随時必要となる見込みである。前述のスタンス表現関連のまとめについては、9つのトピックについて研究補助者1名の協力を得て校閲が終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
MICASE内のwouldの意味機能分析、willの全体分析を引き続き行い、その後残りの法助動詞の分析に移行する。2022年度は分析基準の見直しに時間を要し、最新の先行研究に関して十分な調査を行えなかったため、canについては新たに文献を収集する。ICNALEデータを基にした研究については、今回発表を行ったwouldの機能分析結果を追加したものを投稿する予定である。2023年度は本研究の最終年度であるため、新たに人員を確保し、スピードアップを図りたい。
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Causes of Carryover |
質的分析を行うためには量的分析の作業終了を待つ必要があった。人件費・謝金の執行は2023年度にまとめて行われる見通しである。加えて今後は図書購入、査読および校閲にかかわる経費の執行を予定している。
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