2020 Fiscal Year Research-status Report
英米文学作品における歴史的文体研究としての英語表現史研究:身体表現の機能の解明
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19K00674
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
高口 圭轉 安田女子大学, 文学部, 教授 (50195658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 拓人 関西学院大学, 商学部, 助教 (00734477)
田畑 智司 大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 教授 (10249873)
竹下 裕俊 尚絅大学, 文化言語学部, 教授 (20236459)
堀 正広 熊本学園大学, 外国語学部, 教授 (20238778)
冨村 憲貴 呉工業高等専門学校, 人文社会系分野, 准教授 (40595980)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 身体表現 / 英語表現史 / 通時的研究 / 共時的研究 / 英語文体論 / コーパス言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、平成28年度から30年度まで採択された科研費のもとで行ってきた研究課題をさらに深化・発展させるための研究である。採択された科研費によって、英米文学作品の身体表現に焦点を当てた歴史的文体研究に関する研究事例をまとめ、平成30年10月、英文による論文集(A Chronological and Comparative Study of Body Language in English and American Literature、開拓社)を出版した。本研究の目的は、この業績を踏まえて、顔・目・手・視線・動作などの身体に関する英米文学作品における描写の慣習と創造性を共時的・通時的視点から追求し、英語表現史研究の体系的な枠組みと身体表現の機能を明らかにすることである。 本研究は、14世紀から19世紀までの英米文学史上の主要な作家を専門とする研究者による協働研究であり、定期的に発表会及び打合せを行い、一貫した分析方法が維持されるように配慮していた。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大により、令和2年度は対面による研究発表会を開催することが出来なかった。その代替措置として、令和3年3月26日(金)に、研究代表者・研究分担者・研究協力者6名が参加し、ウェブ会議システムZoomを利用して研究発表会を実施した。研究会では、研究分担者(堀正広)が「Body Languageに関する研究紹介」というタイトルで、また研究分担者(田畑智司)が「TreeTaggerを使った自動品詞タグ付けとトピックモデリング」というタイトルで啓蒙的な発表を行った。その後、参加者全員が各人の研究の進捗状況について報告を行った。 今後、対面での発表会開催を模索しながら、状況に応じて、ウェブ会議システムを利用した研究会を開催するとともに、各人が担当する作品の身体に関する用例を収集すること等を申し合わせた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、14世紀から19世紀までの英米文学史上の主要な作家を専門とする研究者による協働研究であり、定期的に発表会及び打合せを行い、一貫した分析方法が維持されるように配慮してきた。しかし、令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、対面による研究発表会を開催することができず、令和3年3月26日(金)に、研究代表者・研究分担者・研究協力者6名が参加し、ウェブ会議システムZoomを利用して研究発表会を実施した。 研究発表会自体は有意義なものであったが、やはり対面による研究発表会と同等の成果を得るには至らなかったように思える。当初の研究会では、各人が担当する文学者や作品に見られる身体表現の用例を発表するとともに、全員でそれぞれの研究発表に対してコメントをつけ、批評し合うことを予定していた。それによって、各人の研究の問題点の洗い出し、その解決法の模索・提案、新たな視点からの再分析などを行うことができると考えていた。しかし、仕方ないこととはいえ、コロナ禍の中、令和2年度に予定していた研究活動を十分に行うことができなかった。 また、各研究者が、オンライン授業の準備等、勤務校での新型コロナウイルス感染症対策を余儀なくされており、例年と同等の研究時間を確保することも困難であった。 このような状況ではあるが、オンライン研究会では、研究代表者・研究分担者・研究協力者それぞれが担当する文学者や作品を決めて、顔・目・手・視線・動作などの身体に関する表現や、表情、仕草、行動など身体の動きの描写に注目して、用例を収集することを申し合わせた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の感染状況を注視した上でのことであるが、今後も定期的に対面による発表会・研究会や打合せ会を開催し、それぞれの研究内容の要旨を発表し、対等の立場で議論したい。本研究は、協働研究という研究手法を取るものであるので、頻繁な議論および互いに学び合うという研究姿勢を維持していきたい。発表会では、研究代表者および研究分担者6名、研究協力者2名、計8名全員が発表を行い、それぞれの発表に対してコメントをつけ、批評し合う。こうすることによって、各人の研究の問題点の洗い出し、その解決法の模索・提案、新たな視点からの再分析などを行っていく。研究者が対等に意見を交わし、各研究者の担当分野に特徴的な表現が、他の対象分野ではどのように用いられているのかなどを比較検討することによって、英米文学作品における包括的で通時的な身体表現の研究を行うことができるであろう。 このような発表会・研究会での議論や得られた知見を踏まえて、各自が所属する国内外の学会やジャーナルおいて、本研究課題についての発表を引き続き行っていく。 新型コロナウイルス感染症の状況によっては、令和2年度同様に、上記のような研究会が開催できないことも考えられる。そのような場合は、ウェブ会議システムZoomや他のWeb会議アプリケーションを用いて、オンラインでの研究会の開催を検討するつもりである。
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Causes of Carryover |
令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、各研究者が予定していた学会や研究会への参加、資料収集のための出張等も中止を余儀なくされ、当該年度で予定していた研究書の購入や旅費等の支出を十分に行うことができなかった。 研究代表者および研究分担者6名、研究協力者2名による研究発表会の開催に関しても、当初は、令和2年度においても、対面による数度の研究発表会開催を予定していた。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、対面による研究会は一度も開催することができず、令和3年3月26日(金)に、研究代表者・研究分担者・研究協力者6名が参加し、ウェブ会議システムZoomを利用して研究発表会を開催することが出来ただけであった。 令和3年度においては、新型コロナウイルス感染症の状況を見極めながら、令和2年度助成金の残額と合わせて、身体表現に関する研究書の購入費や関連する学会に参加するための旅費、さらに協働研究の効果を高めるための発表会及び打合せ会の開催、及びそのための旅費として使用するつもりである。
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Research Products
(7 results)