2019 Fiscal Year Research-status Report
「動詞+前置詞」から成る句動詞の成立過程に関する基礎的研究及び新分類法の提示
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19K00678
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyota College |
Principal Investigator |
神谷 昌明 豊田工業高等専門学校, 一般学科, 教授 (40194980)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 句動詞 / フランス語源動詞 / ゲルマン語源動詞 / 音節 / 前置詞 |
Outline of Annual Research Achievements |
「動詞+副詞辞」の起源・発達過程とは異なる「動詞+前置詞」から成る句動詞をOxford PHRASAL VERBS Dictionary for learners of English 2006(OPV)から全て抽出して,特徴を探った.特に動詞の語源,動詞の音節数に焦点を合わせて分析した. 「動詞+前置詞」から成る句動詞を形成する動詞の数は577語であり,ゲルマン語源動詞(238語;41.2%)とフランス語源動詞(244語;42.3%)の割合がほぼ同じである.「動詞+前置詞」から成る句動詞は古英語の接頭辞付動詞,またはフランス語源動詞の接頭辞を副詞辞に置き換える過程とは直接結びつかないので,「動詞+副詞辞」から成る句動詞と比べて,フランス語源の動詞と結びつく割合が高いと言える.動詞の音節数に関して,1音節の動詞が369語,2音節185語,3音節18語,4音節の動詞が5語であり,1音節の動詞が全体の約64%を占める.3音節動詞18語の内16語が,4音節動詞5語全てがフランス語源の動詞である.また語源別の音節数は以下の通りである(語源不詳動詞除く). 動詞の語源及び音節数に基づく新分類法 ゲルマン語源動詞「ゲルマン語源1音節動詞+前置詞」から成る句動詞 201語,「ゲルマン語源2音節動詞+前置詞」から成る句動詞 36語,「ゲルマン語源3音節動詞+前置詞」から成る句動詞 1語,「ゲルマン語源4音節動詞+前置詞」から成る句動詞 0語, 合計238語 フランス語源動詞「フランス語源1音節動詞+前置詞」から成る句動詞 88語,「フランス語源2音節動詞+前置詞」から成る句動詞 135語,「フランス語源3音節動詞+前置詞」から成る句動詞 16語,「フランス語源4音節動詞+前置詞」から成る句動詞 5語, 合計244語
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動詞の語源及び音節数に基づく新分類法を提示することができ、「動詞+前置詞」から成る句動詞の特徴を導き出すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(令和2年度)は、フランス語源動詞244語の借入関係を明示する.さらに「フランス語源1音節動詞+前置詞」から成る句動詞(88語)の初出例をthe Oxford English Dictionary 2nd edition (以下OED)から抽出し,「フランス語源1音節動詞+前置詞」から成る句動詞の特徴を探る.令和3年度は「フランス語源多音節動詞+前置詞」から成る句動詞の初出例をthe Oxford English Dictionary 2nd edition(以下OED)から抽出する.そして神谷(2020)の分析結果も踏まえ「フランス語源動詞+前置詞」から成る句動詞の特徴を探る.最終年度(令和4年度)は研究の統括を行う.具体的に(1)研究成果報告書を作成する.(2)句動詞研究の総括・英語教育への応用(簡易版)を作成する.(3)句動詞研究の書誌(Bibliography)を作成する.
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Causes of Carryover |
予定していた書籍類が廃版になったため購入できなかった。
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