2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K00689
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Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
大澤 舞 獨協大学, 外国語学部, 准教授 (70610830)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 直接引用複合語 / 日英語対照研究 / 語用論 / 周辺的現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終的な目標は、中核的現象を基本としたときに、周辺的現象がどのように生じるのかを文法と文脈の関係から明らかにすることである。この最終目標に至るために、2019年度は、日英語の直接引用複合語(Honey, I’m home happiness./なんだ、良いやつじゃないか!案件)を詳細に記述し、その意味・語用論的機能に関する一般化を提案することを目的としていた。この目的を達成するために、具体的に次の3点を重点的に行なった。(1) インターネットやコーパスからデータを収集し、言語事実を精査した。(2) 先行研究(Pascual et al. 2013、新屋・東條 2013など)の問題点を指摘した。(3) 英語のdirect speech compounds(Honey, I’m home happiness.)と日本語の直接引用複合語(なんだ、良いやつじゃないか!案件)の共通点と相違点を整理・分類した。この記述研究の成果を、第6回筑波英語学若手研究会にて口頭発表した。 日英語の直接引用複合語を並べて比較対照した研究は、現時点では研究代表者の記述研究以外には行われていないと思われる。そのため、上記のような詳細な記述をひとつの成果とすることで、一見同じ現象のように見える日英語の直接引用複合語がどのレベルで同じと言えるのか、もしくは言えないのか、両者は各言語体系の中でそれぞれどのような(語用論的な)役割を担っているのかということを今後考えていくための基礎ができたと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、初年度に行うべく記述研究を計画通りに実施し、その成果をまとめて研究会にて発表することができたため、おおむね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度の成果を元に、明らかになった日英語の共通点を元に、直接引用複合語に関する記述的一般化を提案する。また、相違点に関して、それが各言語体系のどこから生じるのかを分析する。さらに、直接引用形式と一般名詞との比較を行い、複合語の前項に直接引用形式を用いる動機を明らかにする。名詞は、細部が捨象され抽象化されているが故に、話者の表したい事実を詳細に表すことができない。同時に、聞き手が情報を読み込み過ぎる余地をもつ。直接引用は、事実をそのまま表すために文字数は多くなるが、見たままを述べるということから、上位概念を表し抽象化する名詞に言い換える必要がないという点で「エコ」な表現であるといえる。ここに「名詞名詞複合語」ではなく「直接引用複合語」を用いる動機があると考えられる。記述研究の成果を元に、この仮説を検証する。特に、「XみたいなNP」や「X的なNP」「NP, like X」などの表現との比較を行う予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度の記述研究の成果を、2020年度に海外の学会で口頭発表するつもりであり、海外出張用の旅費として繰り越すこととしたためである。
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Research Products
(3 results)