2022 Fiscal Year Research-status Report
Aelfric's Grammarの11世紀写本間言語変異の研究
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19K00691
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
市川 誠 東京理科大学, 教養教育研究院北海道・長万部キャンパス教養部, 准教授 (60625747)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アルフリッチ / 古英語 / 写本 / 方言 / 写字生 / 文法 / 英語史 / 写本間言語変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、令和3年度までに転写が完了しなかった Aelfric's Grammarを収録する2つの写本 British Library, Cotton Faustina A.x 写本とBritish Library, Royal 15 B xxii写本の転写を実施した。前者の転写を2022年6月5日に、後者の転写を2022年8月20日に完了した。Royal 15 B xxii写本は、行間注解のように古英語の単語がラテン語の上に記されていることは周知の通りである (Ker 1957: 335: Doane 2007: 48)。本研究の対象外ではあるが、Grammar の12世紀の写本である Cambridge, Trinity College, R.9.17写本では、一部、古英語が行間注解のように配置されていることで知られている (Ker 1957: 134)。Royal 15 B xxii写本とTrinity College, R.9.17写本の古英語の配置に共通性があるか調べるために、Trinity 写本の転写も実施した。Trinity 写本の転写は、Royal写本の転写と同時に行い、2022年8月20日に転写を終了した。また、Butler (1981)の刊行本に基づき、13世紀の写本であるWorcester, Cathedral Library, F174写本の言語の調査を実施した。今年度で、本研究課題で研究対象となるAelfric's Grammar の11世紀の写本すべての転写が完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上記【研究実績の概要】で記した通り、令和4年度にAelfric's Grammarの11世紀の写本すべての転写を完了した。これまでの研究期間に実施した個別の写本の言語分析に加え、転写テキストに基づいて作成した写本毎のデータベースに基づき、令和4年度は研究のまとめとしてAelfric's Grammarの11世紀の写本間言語変異を包括的に扱う論文を執筆する予定であった。しかし、令和4年4年に教務を担当する教務幹事に就任し、令和2年から新型コロナウィルス感染症のために閉鎖されていたキャンパスの再開に向けた仕事に忙殺され、前年度と同じく、研究エフォート率が低いまま研究期間を終了を迎えた。そのため、「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う科学研究費助成事業の補助事業期間延長の特例について」を申請し、さらに1年研究期間の延長の許可を頂いた。
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Strategy for Future Research Activity |
上記【研究実績の概要】で記した通り、令和4年度にAelfric's Grammarの11世紀の写本すべての転写を完了した。新型コロナウイルス感染症の影響に伴い研究期間の延長の許可をいただいた令和5年度は、上記【現在までの進捗状況】で記したAelfric's Grammarの11世紀の写本間言語変異を包括的に扱う論文を執筆する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響のため、当初予定していた海外での文献調査を中止し、 書籍による文献調査を実施した。令和4年度の秋頃から再々延長を考えていたため、令和5年度の予算29,500円を残し、令和4年度の研究期間終了を迎えた。
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