2019 Fiscal Year Research-status Report
The discourse-basis of anacoluthonic constructions in the history of English: Constructionalization across time and space
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19K00693
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
柴崎 礼士郎 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (50412854)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 定型表現 / 破格構文 / 構文化 / 英語史 / 対照言語学 / 談話分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、雑誌・書籍論文5編、学会発表6件、翻訳書1件という研究成果となった。年明け以降は、新型コロナウイルスの蔓延により中止・延期された学会発表もあったものの、全体として十分な成果であったと手応えを感じている。研究成果の全てが、破格構文、談話基盤性、通時性に関係しており、調書に記載のある研究目的に沿った内容であった。具体的には、文末表現として用いられる「is all構文」の通時的発達、文末使用の「, period/full stopの語用論標識化」、年代表記の変遷、文頭表現として用いられる「the fact/question remains is構文」創発の歴史的経緯を、アメリカ英語とイギリス英語で比較しつつ論じた。明治大正期の英語との接触が、同時期の日本語の品詞に与えた影響について文法化という視点からも論じた。また、研究協力者の研究成果も、該当箇所に記した通り十分な成果であった。研究協力者には、対照言語学の視点から、日本語における破格構文に取り組んでもらった。
構文化研究は近年盛んであり、従前の文法化研究における例外現象を説明付けることができる点においても無視することはできない。一方、構文研究の弱い部分は談話レベルでの分析であり、破格構文の発生のメカニズムを理解する上で重要ではあるが、通時的研究は十分とは言えない。本年度の研究成果は、通時的データに基づく構文化理論の実証研究であり、談話レベルの構文研究という点でも、貢献度は低くはないと判断できる。
破格構文研究は定型表現研究と重なる部分が多く、語法・慣用表現研究とも通じる部分が多い。言語の使用実態に基づく研究手順を踏むため、談話・会話分析や語用論研究とも切り離すことができない。本研究の遂行には、規範文法に囚われずに言語現象を分析する領域横断的な研究手法が不可避であるため、次年度以降も、同様の手順で研究を進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度の4月から12月までは、学会発表および執筆中の論文の刊行を予定通り済ませることができただけではなく、新たな研究成果へ向けたプロジェクトも開始され、計画以上の進捗状況であった。しかし、年明けの1月以降は、新型コロナウイルスの世界的な蔓延により、国内外での研究発表が中止・延期されたことにより、研究に遅れが生じたことは否めない。予定されていた年度中にウェブ・カンファレンスとして実施される学会もあるが、十分な質疑応答が行えるかどうか懐疑的ではある。少なくとも2020年の夏までは学会活動が停滞することが予想されるため、研究スタイルを再考する必要性を感じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の前半期は、コロナウイルスの世界的蔓延により国内外の学会活動が停滞している。研究者との直接の意見交換が可能であるため、本研究計画では学会発表を重要視していたが、本年度に限っては研究スタイルを修正する必要がある。一つの代替案は、研究発表を介さずに論文を執筆し、学会誌やジャーナルへ直接投稿することである。昨年度の口頭発表のうち、論文集刊行が予定されていないものも少なくないため、コロナ禍での外出制限が厳しい現状では現実的な代替案であると思える。もう一つの代替案は、これまで刊行してきた論文や口頭発表のうち、統一テーマで集約可能なものを学術書として準備しはじめることである。巧遅は拙速に如かずとも言うが、やはり十分に時間を掛けて取り組みたい。2021年度の国際学会への応募も既に開始されているため、延期された学会の日程を鑑みつつ投稿の準備も進めたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため国際学会が延期となり、その分の支出が未執行となったため。
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Research Products
(24 results)
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[Journal Article] 「勿論考」2019
Author(s)
髙橋圭子・東泉裕子
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Journal Title
『言語資源活用ワークショップ2019発表論文集』(国立国語研究所)
Volume: 4
Pages: 128-138
DOI
Open Access
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