2020 Fiscal Year Research-status Report
The discourse-basis of anacoluthonic constructions in the history of English: Constructionalization across time and space
Project/Area Number |
19K00693
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
柴崎 礼士郎 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (50412854)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 談話研究 / 語用論 / 歴史言語学 / 英語史 / 対照言語学 / 文法化 / 定型表現 / 談話語用論標識 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の研究実績は以下の通りである。まず、研究統括者(柴﨑)の研究実績は、1)学会発表3件(国内2件、海外1件)、2)雑誌論文3件(国内2件、海外1件)、3)図書3件(雑誌論文所収のもの)であった。研究協力者(東泉)の研究実績は、学会発表2件(国内2件)、2)雑誌論文5件(国内5件)、3)図書1件(共同翻訳)であった。これらに加えて、新型コロナウイルスの世界的蔓延(以下パンデミック)のため、学会そのものが2021年度へ延期となった国内外の学会発表が3件あった。うち2件は、2021年度中にオンラインで実施されることが確定している。残り1つの国際学会はパンデミックの収束後に対面での実施を検討しているとの報告を2020年度末に受けており、こちらの学会では研究統括者と研究協力者がともに参加する予定である。
刊行論文3件に加え、幾つかの論文集は刊行が2021年度へ延期されることになった。理由は、執筆者の多くがオンライン業務の負担増のため、執筆あるいは校正に十分な時間を掛けることが困難であったためである。しかしながら、執筆者の多くは1年を通してオンライン業務と研究との両立にも慣れ、こうした進行中の論文集(国内1件、海外1件)およびジャーナル特集号(海外2件)は現在どれも進捗が良好である。研究統括者は、これら全てで(共編を含む)編者を務めており、うち1つの論文集(海外)では研究協力者との共編として準備中である。
既刊未刊にかかわらず、定型表現と談話語用論標識を史的に考察したものである。研究統括者は主に英語史における現象を担当し(e.g. wh分裂文、節起源の談話語用論標識)、研究協力者は主に日本語史における現象(e.g. 一部の漢語名詞起源の副詞)を担当した。また、研究統括者は、英語史における定型表現論集を準備中であり、同現象の本格的な研究としては類がない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パンデミックの影響により予定されていた国内外の学会発表が延期され、2020年度上半期は遅れが生じたと言わざるを得ない。しかし、夏以降、オンライン開催となった学会での発表が可能となり、徐々に当初の計画に近い状況へと戻った。
論文の執筆に関しては、研究計画1年目に実施した国際シンポジウムに基づく論文集を計画しており、3件とも海外の出版社とジャーナルから刊行許可を得ることができた。国内で刊行予定の論文集も、パンデミックによる遅れが生じたものの刊行直前の段階まで達している。
全体として進捗が順調であるものの、「(1)当初の計画以上に進展している」を選択できなかった理由は、収束の兆しが見えないパンデミックにより、海外での直接の研究発表や調査の機会が断たれ、計画に沿った進展には必ずしもならなかったことにある。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度の研究実績欄で記した通り、遅れの生じている論文集(国内1件、海外1件)およびジャーナル特集号(海外2件)を首尾よく進めることが第一である。いずれの論文集も、現時点で計画に沿った進捗が確認できている。
研究発表については、1年延期となった国内学会(海外発信用の国際シンポジウム)および国際学会での発表を滞りなく行うことに注力している。ほぼ全ての学会がオンライン開催を予定しているため、この機会を利用して、研究課題に関係する発表申請を積極的に行いたい。
また、本研究課題および(研究統括者の)過去の研究成果に注目している海外の研究者から、オンラインによる講演依頼(ノルウェー)も受けている。そこで、本研究の進捗報告と今後の方向性の紹介も兼ねた発表を行い、今後、更に効果的な国際共同研究に発展するよう準備を進めている。研究発表と論文刊行だけではなく、国内外の研究者との交流を絶やさぬように研究を推進してゆく計画である。
|
Causes of Carryover |
次年度使用が生じた理由は、パンデミックの影響により国内外の出張が不可能になったからである。学会運営を対面からオンラインへ迅速に移行できた学会もあれば、大会そのものを1年(以上)延期する学会も少なくなかった。これにより、出張旅費の一部を書籍や機器の購入に充てることとなったが、全てを使用することは不可能であった。2021年度の後半には国内外の出張が可能になることを期待しつつ、次年度使用の決断を下すことになった。出張旅費を除くと、他の支出は概ね計画通りであった。
|
Research Products
(19 results)