2021 Fiscal Year Research-status Report
属性叙述のthere/have交替に関する記述的・理論的研究
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19K00697
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
南 佑亮 神戸女子大学, 文学部, 准教授 (40552211)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | there構文 / have構文 / 属性叙述 / 感情経験 / 構文文法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究実績は大きく2つに分けられる。まず、実施が2020年の8月からちょうど一年の延期を経てハイブリッド開催された国際構文文法学会(11th International Conference on Construction Grammar)においてオンラインで研究発表をおこなった。内容は、当プロジェクトが対象としている交替現象におけるthere構文とhave構文の分布を決定しているのはそれぞれの構文の抽象的な概念レベルの意味よりもむしろbe動詞後の名詞のタイプに大きく左右される可能性を示唆するものであった。談話的要因に関する部分はやや手薄であったものの、オーディエンスからの質問から、趣旨は十分伝わったことが確認できた。また、この発表後すぐにヨーロッパの大学の英語研究者からメールでコメントと関連する研究論文の情報提供があったことをきっかけに、同研究者と英語の諸現象についてメールで意見交換や議論を行うようになったことは、当初の想定以上の成果であると言える。 二つ目の成果は、「悲しみ(sadness)」「怒り(anger)」「恐怖(fear)」「満足(satisfaction)」「安心(comfort, consolation)」などの感情経験を存在物として描写するためのthere構文には大きく2つの類型があり、be動詞後の名詞のタイプによってそれぞれのタイプのthere構文への分布に偏りがある可能性に気づいたことである。これはthere構文とhave構文の交替現象を調査する過程で偶然発見した事柄ではあるが、本プロジェクトの当初計画にあった現象との関連は明らかであるのみならず、英語のthere構文の包括的な記述研究に少なからず貢献するものである。この類型に関する基本的なアイデアと事実観察を論文にしてまとめ、『神戸女子大学文学部紀要』第55巻に発表した(※この報告書を作成している5月中旬現在はまだアクセス可能な状態にはなっていないが刊行は確定している)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3年目も引き続きコロナ禍にあったが、遠隔授業への対応などに割かれる時間はかなり少なくなったため、2年目よりも研究は進めることができたと言える。しかし2年目で生じた遅れを取り戻すには至っていない。最終年度は論文執筆と発表に集中するというのが当初の計画であったが、今年度末の時点で論文作成に向けた準備がまだ残っているの実情である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度4月付で研究機関が変わったため、急ぎ研究環境を整備する必要がある。英語のデータに関する調査協力を依頼していた前研究機関所属の研究者には引き続き協力を依頼する。「研究実績の概要」で触れた欧州の研究者とのディスカッションも継続しながら、学術雑誌投稿を見据えた論文執筆に向けて鋭意準備を進める。
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Causes of Carryover |
当該助成金が生じた状況:今年度は国際構文文法学会(ハイブリッド開催)に参加したが、開催時(8月)の新型コロナ感染拡大状況を考慮し、オンラインで参加することにした。このため、当初計画にあった渡航費が今年度も発生しなかった。また、国内学会や研究会も軒並みオンライン開催であったため、旅費の必要が発生しなかった。 使用計画:3年目までと同じく専門書(おもに洋書)の購入に充てる。このほか、2022年度から新しい研究機関に移籍するにあたり、研究に欠かせない機器(パソコン、スキャナ、プリンタ)を揃える必要がある。また、新型コロナ感染状況の改善にともない、いくつかの学会、研究会が対面で開催され、旅費が発生することも見込まれる。
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Research Products
(2 results)